今週の日曜日、
妻と子供をつれて嵐山に出かけました。
早咲きのさくらが1本、満開でした。
気がつけば3月も今週で終わり、
新しい年度がやってくるんですね。
さくらの季節は何か、わくわくします。
来週には嵐山には近寄れなくなりそうです。
今回は『食道胃接合部が語るもの』の2回目、
『バレット食道』についてです。
バレット食道とは聞きなれない言葉だと思います。
1回目逆流性食道炎と関係しており、
今後増えてくる病態と考えられています。
食道胃接合部で胃酸の逆流が起こること、
それが逆流性食道炎ですが、
炎症がずっと持続すると、食道の粘膜は、
やがて胃粘膜に近い粘膜に置換されます。
これをバレット粘膜といいます。
この粘膜のある食道をバレット食道といいます。
このバレット食道からは、
がんが発生することがあります。
欧米ではこのタイプの食道がんが増えています。
わが国でも最近は増加傾向です。
その理由にピロリ菌との関係が挙げられます。
逆流性食道炎の発生原因のひとつに、
ピロリ菌除菌が挙げられます。
ピロリ菌を除菌すると、慢性胃炎が改善し、
胃酸の分泌が多くなるといわれています。
胃酸が多くなること、
胃の調子が改善し食欲が上がると肥満となり、
結果的に逆流性食道炎を発症させるようです。
今のところ、ピロリ除菌後の逆流性食道炎から、
バレット食道、バレット腺がんを
発症したという報告はありませんが、
全く無関係ともいえず、今後の研究が待たれます。
胃がんを抑えるために行なったピロリ菌除菌で、
食道がんのリスクが増えるとしたら、
除菌する意味が無いですね。
しかし、ご安心下さい。
胃がんと食道がん、さらにはバレット腺がんでは、
発生頻度が全く異なります。
食道がんの発生率は胃がんの約10分の1です。
そのうち食道がんは90%以上は扁平上皮がんで、
バレット腺がんは食道がんの約3%程です。
これほど違えば、やはり胃がんの予防のために、
ピロリ菌除菌は意義があることだと分かります。
このようにバレット食道がんは、
頻度は少ないものの、注意すべき疾患です。
バレット食道のある患者さんは、
必ず定期的に内視鏡で確認しておきましょう。
ちなみに逆流性食道炎の治療薬である、
タケプロンやパリエットなどの酸分泌抑制剤が、
バレット食道がんを予防するという報告はありません。
しかし、高度の逆流性食道炎がある方は、
バレット食道を合併していることも多く、
内服する意味があると思います。
ただし、結局は内視鏡で調べるしかありませんので、
逆流性食道炎のある方は、
定期的な内視鏡検査を是非お願いいたします。
以上で、その② ~バレット食道~を終わります。
次回その③は、~食道裂孔ヘルニア~をお送りする予定です。
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