6月に入り梅雨空が続いております。
蒸し暑くなってついクーラーをつけてしまいます。
皆さんも体調管理にお気を付け下さい。
さて当院は大きく分けて、
小児科と内科に分かれておりますが、
私が担当する内科は主に消化器内科が専門です。
そのため、老若男女に関わらず、
腹部の症状を訴える方がたくさん来られます。
その中で最も多いのが胃の痛みです。
私は胃カメラをご希望される場合や、
こちらからお勧めする場合でもそうですが、
同時に腹部エコーを受けることをお勧めしています。
その理由は、
胃カメラでわかるのは食道、胃、十二指腸ですが、
エコーではその周辺の臓器の情報が得られるからです。
エコーでチェックできる主な臓器は、
肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、膀胱などです。
胃の痛みで来られる場合は、
多くは食道や胃、十二指腸に原因がありますが、
時には胃以外のこともあります。
可能性のあるものとして、
胆石症
胆のう炎
胆管炎
膵炎
虫垂炎
などでしょうか。
虫垂炎は右下腹部の痛みがメインですが、
初期にはみぞおち不快感や吐き気など、
胃の症状が出ることもあります。
このような病気は、
もちろん胃カメラでは診断がつきません。
エコーを行って初めてわかります。
反対に、
腹部エコーでは胃の中の様子はわかりません。
空気のある臓器はエコーでは詳細に見れないからです。
つまり胃カメラと腹部エコーは、
お互いを補っている状況にあります。
本田と香川の様なものです。
(長友と香川?)
また胃カメラも腹部エコーも、
検査の準備として絶食が必要なのですが、
同じ準備で両方検査できる手軽さがあります。
ということで、当院では胃カメラを受ける際に、
ご希望があれば腹部エコーも同時にしています。
●
先日若い女性が胃の不快感で受診され、
他院で胃薬を処方されたのですが改善無く、
当院での胃カメラを希望されました。
胃カメラの予定をたて、
念のためにエコーも受けていただくようにしました。
そして検査当日、
胃カメラの前にエコーをしていたところ、
下腹部で意外なものを見つけました。

最初は何かわからなかったのですが、
よく見るとかすかに動いているように見えます。
それは大きさ3cmの胎児でした。
背筋がぞくっとしました。
エコーをしていなければ、
麻酔を使って胃カメラをしていたところです。
恐らく胎児には何も起こらないのでしょうが、
知らずにお薬を使った罪悪感は残るでしょう。
その方は先日月経が来なかったので、
産婦人科で妊娠のチェックを受けられたそうですが、
その時は反応がなく否定されたそうです。
『若い女性を診たら、妊娠を疑え』
これは医学部の臨床講義で、
一番最初のころに言われることです。
医師となり長い時間が経過しましたが、
忘れていた時に初めて遭遇したのでした。
もちろん胃カメラは中止しました。
なにより原因は胃ではなく「つわり」ですから。
胃薬が効かないのも当然です。
私にとって救いだったのは、
その女性が、
大変喜んで帰られたことでした。
●
このようについでに行ったエコーで、
偶然他の病気が見つかることもあります。
膀胱がんや前立腺がん、
卵巣腫瘍もたまに見つかることがります。
もちろんみんな無症状です。
皆さんも何があるかわかりません。
できれば胃カメラをされる機会に、
エコーも一緒に受けてください。




