京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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ピロリ菌と胃がん

2011年10月5日

最近急に涼しくなってきましたね。
朝晩は寒いくらいですので、
風邪引かないように、お気をつけ下さい。

今日はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)の、
胃がんとの関連につきお話します。

ピロリ菌のことは、最近は耳にされた方もおられるでしょう。
主に胃・十二指腸潰瘍の原因として注目されてきました。
(詳細は当ホームページをご覧下さい)↓
https://www.yoshiokaclinic.or.jp/kamoku/digestive/

最近の話題は、
ピロリ菌が胃がんの原因になると証明されたことです。
約3年前のことですが、重要な論文が発表されました。

早期胃がんで内視鏡治療を受けた患者さん544人を、
治療後ピロリ菌を除菌したグループと、
除菌しなかったグループに分けて観察されました。

5年後の胃がんの発生が、
除菌グループで9人であったのに対し、
除菌しなかったグループでは24人にあったのです。

つまり、「ピロリ菌を除菌すると、胃がんの発生が抑えられる」
ことが統計学的に証明されました。
これは日本から発表されたすばらしい研究でした。

また別の報告からは、
除菌の時期を、診断された時点ですぐ行ったグループと、
1年以上たってから除菌したグループに分けると、
すぐ除菌した方が胃がんの発生率が少なかったことが判明しました。

このことから、ピロリ菌は、
「診断のついた時点でできるだけ早く除菌することが
胃がんの発生を抑える」
ということになりました。

これらの結果をうけて
日本ヘリコバクター学会は2009年に、
「ピロリ菌感染症は、すべて除菌の対象である」
とガイドラインに載せています。

まとめると、検査でピロリ菌感染があれば、
全員治療した方がいいということになったのですが、
現時点で胃潰瘍の病名や早期胃がんの治療後でなければ、
ピロリ菌の除菌は健康保険外(自費)になってしまいます。

それでも胃がんのリスクを1/3にできるのであれば、
価値があると思われます。

今までがんは早期発見、早期治療が全てでしたが、
このように予防することができる時代にはいりました。
ただ、除菌後は発生率がゼロではありませんので、
その後も検査は必要となりますが、頻度は少なくなると思われます。

食欲の秋、到来です!!
私もついつい、飲みすぎたり食べ過ぎたりしています。
皆様の胃の調子はいかがでしょうか。

あなたの胃にピロリ菌がいないかどうか、
一度チェックされてはいかがでしょうか?

当院でもピロリ菌検査や除菌治療は
多くの方に受けていただいておりますので、
気になる方はいつでもご相談下さい。