京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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逆流性食道炎の食生活について

2013年12月7日

皆さんこんにちは。
寒い毎日ですが、
風邪などはひかれてませんでしょうか?

私は自転車で通勤するのですが、
朝の寒さは身に堪えます。
ネックウォーマーで顔を覆って走っています。


今回は逆流性食道炎についてです。

逆流性食道炎とは胃酸が食道に逆流して、
胸焼け、みぞおちの不快感、食事が胸でつかえる、
などの症状を引き起こす病気です。

逆流性食道炎の患者様は、
欧米に比べると日本は少ないといわれていますが、
最近は日本でも増加傾向です。

その理由として、以下のことが考えられています。

1、食生活の変化
脂肪の多い食べ物や甘いものをたくさん摂ると、
胃酸が多く出て食道に上がりやすくなります。

2、生活習慣
タバコ、飲酒、コーヒーは、
逆流性食道炎の発生を促進させます。
また前かがみの姿勢や肥満は、
腹圧の増加につながり、
胃液が食道に上がりやすくなります。

3、ストレスの増加
ストレスは食道、胃、小腸などの、
働きを弱めます。

4、ピロリ菌感染者の減少
ピロリ菌は慢性胃炎を引き起こし、
胃酸を減少させます。
最近の若者はピロリ菌の感染率が低く、
胃酸が多くなっていると考えられます。

このような要因が複数重なりあり、
患者数の増加につながっていると思われます。

では、逆流性食道炎になったらどうするか?

お薬によりある程度症状を抑えることができますが、
中にはそれだけではよくならない方がおられます。

その場合、一番大切なのは食生活です。
今回は食生活の中で注意すべきポイントにつき、
簡単にご説明します。

まずは食べ過ぎないことです。
一度に短時間で食べ過ぎると、
胃が過剰にふくらみ、胃の動きが悪くなります。

少しの刺激で胃の中のものが食道に逆流します。
腹8分目、これがとても重要なのです。

次に、食事の内容はどうでしょうか?

よく外来で、
「脂っこいものを食べて調子が悪くなった」
という話を聞きます。

脂肪を摂取すると、
コレシストキニンというホルモンが、
十二指腸より分泌されます。

このホルモンは食道と胃のつなぎ目にある、
逆流を防ぐ筋肉をゆるめ、
げっぷを起こしやすくする働きがあります。

それとともに、
食べたものが胃から先に流れるのを、
遅らせる作用もあります。

従って脂肪の摂りすぎは胃もたれの原因となり、
げっぷが出るときなどに
胃酸の逆流が起きるといわれています。

最後に食事のタイミングですが、
夜遅くなってからの食事は良くありません。

皆さん大体お疲れでしょうから、
食べてすぐ寝てしまう方も多いと思います。

起きているときは唾液が1日に1~1.5L、
かなりの量が出ているそうです。

この唾液は無意識のうちに飲み込むのですが、
それにより食道が動き(蠕動といいます)、
食道に逆流した胃酸を胃に戻します。

寝ている間は唾液が少なくなっていますので、
横になっているという重力の関係もあって、
食道内の酸がなかなか胃に戻りません。

 

そのため、もともと健常な方でも、
仮に食べてすぐ寝てしまうと、
確実に寝ている間に逆流が起きるそうです。

従って生活習慣の改善という意味では、
就寝前の食事摂取を控えることが重要です。

以上を整理しますと、
逆流性食道炎の薬物治療以外では、
食生活がとても大切ということがわかります。

1、腹8分目。
2、寝る前に食べない。
3、脂っこい食事はほどほどに。

この3点が重要です。

私も逆流性食道炎があり、
普段から気をつけていますが、
たまに気を許すと起こってしまいます。

皆さんもお気をつけてください。