京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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(お正月ですが)肥満と大腸がんの関係について

2014年1月7日

新年あけましておめでとうございます!

2014年、平成26年になりました。
旧年中はご来院いただいた方、HPを見てくださった方、
大変お世話になりありがとうございました。

今日は1月7日です。

朝食に春の七草粥をいただきました。
心も体も温まり、
自転車での出勤ですが、
あまり寒さを感じませんでした。


ところで、皆様はお正月太りませんでしたか?
私は2㎏以上体重が増え、
おなかもややぼてっと大きくなりました。

 

また日常の生活に戻れば、
自然と体重も落ち着くのではと思いますが、
少しは落とす努力が必要になるかもしれません。

最近では肥満や生活習慣病は、
大腸がんのリスクになるということが言われています。

皆さんBMIという数値をご存知ですか?
検診などで見かけるものですが、
体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で出る数値のことです。

たとえば身長1m65cm、体重60㎏の人では、
BMI=60÷1.65÷1.65=22.03となります。
標準が22ですので、この人は標準体重です。

体重が増えるとBMIは増加し、
日本人ではBMI 25以上が肥満と定義されています。

このBMIと大腸がんのリスクの相関が言われており、
BMIが2増えると大腸がんのリスクは7%増加するそうです。
先ほどの方ですと60→65㎏になるくらいでしょうか。

とくに肥満の中でも、おなかの中に脂肪がつく、
「内臓脂肪型肥満」がよくないそうです。
ウエストが2㎝増えると大腸がんのリスクは4%増加します。

 

なぜ増加するかは複数の因子が関与するそうですが、
脂肪細胞から分泌される「レプチン」の増加も、
原因の一つではないかと考えれています。

また肥満により糖尿病を発症すると、
高血糖の状態となります。
血糖を下げるインスリンというホルモンの分泌が増加し、
高インスリン血症という状態を引き起こします。

この高インスリン血症の状態も、
さまざまな細かい物質や機序を介して、
大腸がん発がんの独立した危険因子であるとされています。

 

欧米のデータでは糖尿病は、
大腸がんのリスクを43%も増加させそうですが
アジア人でも糖尿病は大腸がんのリスクと証明されています。

大腸がんは増え続けている癌です。
胃がんが減り続けているのと対照的です。
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/02/dl/s0228-3e.pdf#search=’%E5%8E%9A%E7%94%9F%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%9C%81+%E5%A4%A7%E8%85%B8%E3%81%8C%E3%82%93%E7%BD%B9%E6%82%A3%E7%8E%87′

日本人の食生活が欧米化し、
高脂肪食をとるようになってから、
肥満の増加、大腸がんの増加が進んでいます。

大腸がんは早期発見・治療すれば、
5年生存率(病気が見つかってから5年間の生存率)が、
90%を超える病気です。

つまり検査をして早期発見すれば、
治る可能性が十分期待できるのです。

そのためには、
どのような人が癌のハイリスク群であるかを、
抽出する必要があるのです。

もしBMIが25を超えている方や、
内臓脂肪型の肥満を指摘された方、
糖尿病をお持ちの方がおられましたら、
一度は必ず大腸内視鏡検査をお受けになってください。

見つからなければそれでよし、
もしがんが見つかっても早期ならばラッキー、
万が一進行したがんんが見つかったとしても、
早く治療するに越したことはありません。

では、
新年早々重いテーマで失礼いたしました。
私も含め体重の変化にはいつも気を配りましょう。

皆様にとって、健康で幸多き1年になりますように
お祈りいたしております。
本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。