京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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「どすこい!」と共に散りゆく夏の夢

2019年8月17日

8月も中旬を過ぎ、
残暑厳しい今日この頃です。

 

8月15日には台風10号が中国地方を縦断し
関西にも大雨をもたらしましたが、
皆様は大丈夫でしたでしょうか?

 

お盆が過ぎ五山の送り火が終わると、
京都の暑い夏もようやくピークを越えて
後半戦に入ります。

 

とはいえ毎年残暑も厳しく、
皆様もお疲れ出やすい時期ですので、
あまり無理をせずお過ごしくださいね。

 

 

 

 

さて
当院は8月13日から15日まで、
夏季休暇を頂いていました。

 

今年は前の連休を合わせると
5連休となりましたので、
さすがに家にいてもということで、
旅行に出かけておりました。

 

ただ私、妻、子供2人の4人家族で
皆が行きたいところはなかなか見つからず、
計画するのも遅くなってしまいました。

 

予定を立てるのが遅くなると
人気の観光地や交通もすでに予約でいっぱいで、
ますます行く場所が決まらずにいました。

 

 

ある時妻が、
「そんなにすることないなら、
オリックスの応援でも行く?」
と聞いてきました。

 

私が普段オリックスを応援していて、
たまに子供を連れて試合を見に行くので、
そういってくれたのです。

 

「まあ、どうせすることもないなら」

 

調べてみると残念ながら、
お盆期間はホームゲームはなく、
敵地で楽天と西武の連戦中でした。

 

 

「ではそこに行けばいいんじゃない?」

 

 

ということで、
今年のお盆はの旅行先は、
仙台と東京(所沢)が候補となりました。

 

 

娘は私の影響でオリックスファンなので、
異論はありません。
問題は下の男の子です。

 

まだ野球ののルールや球団のことも、
分かっていないので、
あまり楽しい旅行とは言えません。

 

ただ下の子は大の乗り物好きです。
そこを売りにすることにしました。

 

行きは仙台まで「飛行機」、
仙台から東京まで東北新幹線の「はやぶさ」、
帰りは「のぞみ」に乗れるというと、
一気に目が輝きました。

 

ということで、
私と娘は「野球観戦」
息子は「新幹線と飛行機」
妻は「仙台グルメと伊達政宗」と
目的はバラバラですが行くことになりました。

 

 

仙台はご存知の通り、
東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地です。
「楽天生命パーク宮城」がスタジアムです。

 

 

 

 

スタジアムの周りには、
観覧車やプールなどのアトラクションがあり、
子供たちも試合前から楽しめます。

 

またさすがIT企業が運営しているだけあり、
スタジアムでは現金は使用できません。
全てスマホ決済かクレジットカードのみです。

 

私も正直入れたくなかったのですが、
「楽天ペイ」アプリをスマホに取り込みました。

 

そして混雑した球場内ではスマホ決済が便利で、
使い慣れてくると楽しくなってきて、
ポイント欲しさに楽天カードまで申し込みました。

 

すっかり
三木谷社長の術中にはまった気分です。

 

 

楽天のスタジアムには、
オリックスのファンはほとんどいませんでした。
球場全体がえんじ色でした。

 

 

 

 

ビジター側の外野席をとっていましたが、
オリックス応援団が陣取る場所とは少し離れていて、
楽天ファンの中にポツンと座ることになりました。

 

これがアウェイというものか…。
応援するときも周囲に気を遣い、
こそこそとメガホンをたたきました。

 

 

試合は投手戦で拮抗し、
8回にオリックスが2-2の同点に追いつき、
そのまま延長戦に入りました。

 

時刻も9時を回っていたので、
10回表のオリックスの攻撃を見届け、
同点のままスタジアムを後にしました。

 

そして
スタジアムの外周を歩いていたところで、
大変な歓声が沸き起こり、
サヨナラ負けを喫したことを知りました。

 

娘は負けず嫌いでしたが、
案外さばさばしていました。

 

 

私たちはひとまず、
大事な初戦を落としてしまいました。

 

 

翌朝
約束通りはやぶさに乗り、
仙台から東京まで移動しました。

 

はやぶさは新幹線の中でも
日本で一番早い新幹線だそうです。
私は乗るまで知りませんでした。

 

調べてみると盛岡~宇都宮間が、
最もスピードが出る地点だそうです。

 

乗車中にスマホで計測した最高速度は
時速320㎞でした。
のぞみとはスピード感が異なります。

 

 

 

 

息子は「はやぶさ」と「こまち」の
連結が見れてとっても満足そうでした。

 

 

 

さて、いよいよ、
勝負の西武球場です。

 

 

 

 

貴重な夏休みを仙台、所沢まで行き、
連敗だけは避けたいと思っておりました。

 

西武球場は現在の呼び方は
「メットライフドーム」となっていて、
一応ドーム球場です。

 

 

 

 

しかし傘を被ったような形状で、
スタジアムと屋根が離れていますので、
空調が全くついていません。

 

京セラドームなどは天候にかかわらず
エアコンが効いていて快適なのですが、
ここは風通しも悪くとても暑かったです。

 

しかも途中に2階や3階がなく、
トイレに行くにも長い階段を一番上まで
移動しなければなりません。

 

ビールやジュースの売り子さんたちも
重い飲み物を担ぎながら長い階段を移動し、
汗だくで本当に大変そうでした。

 

仙台に比べると所沢には
まだオリックスファンは多くいました。
仙台ほどアウェー感はありませんでした。

 

 

 

 

試合が始まりました。

 

オリックスは初回に
幸先よく5点を先取しました。

 

しかし3回には5点を入れられ、
あっさり逆転されてしまいました。
連敗中のオリックスを象徴するようです。

 

ただこの日はオリックスも負けていません。
4回に2点を取り逆転に成功しました。
スコアは7-6でオリックスリード。

 

その後は試合が落ち着き、
7回裏にはオリックスのピッチャー増井が登場し、
西武打線を3者連続三振に打ち取り、
1点差のまま8回を迎えました。

 

あと2回を抑えれば、
オリックスの勝ちです。
…しかしその2回がとても重く感じました。

 

また逆転されるのではないだろうか。
ふと嫌な予感が脳裏をよぎります。

 

 

息子がトイレに行きたいというので、
一緒に着いていきました。

 

西武の8回の攻撃が始まっていました。

 

「トイレに行っている間に、
何事もなかったかのように
8回が終わっていたらいいのにな」
ふとそんな気持ちになっていました。

 

 

最前列から一番高いところまで
たくさんある階段を息子と一緒に
上りだしました。

 

真ん中まで来たところで、
球場全体が歓声に包まれました。
どうやら西武がヒットを打ったようです。

 

私は振り返りませんでした。
何事もなかったかのように8回が終了すればと、
球場全体の勢いを感じながらも
息子と一緒に黙々と階段を上りました。

 

 

打順から行くと
次は現在パリーグのホームラン王の
山川です。

 

額にじわっと汗がにじみます。
最悪のシナリオが待っているのでしょうか。
私は振り返ることができませんでした。

 

 

次の瞬間でした。
球場がこの日1番割れんばかりの歓声に包まれました。
私はやはり振り返らず歓声だけを聴いていました。

 

スタジアムでは、
西武のファンが総立ちになっています。

 

しかもその歓声は、
やむことがありません。

 

信じたくはありませんでしたが、
もはや疑いようもありませんでした。

 

しばらくすると、
「どすこ~い!」と大きな掛け声が
球場全体に響き渡りました。

 

山川がホームランを打った時に、
ベンチの前で行うポーズです。

 

 

私は結局一度も振り返ることが
出来ませんでした。
スコアは7-8になっていました。

 

 

トイレから帰ってくると娘は、
もう泣きそうな顔をしていました。
「山川にホームラン打たれたで」

 

私が、
「何となく8回に打たれそうな気がしていた」
と伝えると、

 

「そんなこと言っているから打たれるんやで!」

 

と本気で怒られました。

 

子供は純粋です。
自分の応援してるチームが、
勝つことを信じていたのです。

 

私は逆に信じることができず、
試合から目を背けていました。

 

娘の悔しさがひしひしと伝わってきました。

 

 

9回表のオリックスは粘りを見せ、
1アウト1塁2塁と同点のチャンスを
迎えていました。

 

次のバッターが打った球が、
センター前にふらふらと上がったとき、
私はヒットを確信し声を上げ立ち上がりました。

 

しかし次の瞬間に、
センターが猛ダッシュの末地面すれすれで
スライディングキャッチを見せました。

 

それはもう、
信じられないスピードでの捕球でした。
プロとはこういうものなのでしょうか。

 

 

悔しがる私と娘、
それを押し潰すような大歓声が、
スタジアムを包みました。

 

その後、祈りも通じることなく、
次のバッターが空振りで三振したときには、
娘は声を上げて泣いてしまいました。

 

7-8 ゲームセット。

 

気がつけば
野球で最も面白いと言われるスコア、
ルーズベルトゲームでした。

 

 

結局2試合とも負けてしまいましたが、
1点を争う好ゲームを見ることができ、
またスタジアムごとに違う雰囲気を楽しむことができ、
悔しい中にも楽しい思い出になりました。

 

 

1人2千円前後のシートで3時間以上も楽しめるって、
プロ野球はコスパがいいですね…。
観戦しながらこんなことを考えていた私は、
もはや純粋さのかけらもありませんでした(笑)

 

 

台風と共に
あっという間に
お盆休みが過ぎてしまいました。

 

また1年の後半戦を
しっかり戦っていきたいと思います。

 

 

吉岡医院 吉岡幹博