京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

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今話題の帯状疱疹ワクチンについて

2021年11月17日

皆様こんにちは。

今回は前回の続きで、
「帯状疱疹ワクチン」について
簡単にご説明いたします。

 

帯状疱疹ワクチンは
50歳以上が対象です。

 

現在帯状疱疹ワクチンは
① 乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)
② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)
の2種類があります。

 

① 乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン)は
お子様に使うみずぼうそうのワクチンを
大人で使用するというものです。

帯状疱疹に対する効果が認められ、
2016年帯状疱疹予防の効能・効果が
追加されました。

臨床試験データでは、
帯状疱疹の発症率を51.3%減少させる
効果があるとされています。

また重症化を60%程度防ぐことが
示されています。

副反応は約50%で認められ、
主な副反応は注射部位紅斑44%、
搔痒感27%、熱感18.5%などでした。

1回の接種で約5年間有効ですが、
5年後の追加接種については
今のところ推奨もされていません。

こちらは生ワクチンになりますので、
免疫抑制剤やステロイド使用中の方、
免疫不全状態にある方には使用できません。

注射回数は1回で、
費用は9900円(税込)です。

 

② 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス)は、
帯状疱疹予防のために開発された不活化ワクチンです。

シングリックスの帯状疱疹に対する予防効果は、
50 歳以上の方で約 97%、
70 歳以上の方で約90%と報告されています。

水痘ワクチンよりも
有効性が高いと考えられます。

シングリックスを注射すると、
体の中で強い免疫を作ろうとする仕組みが働くため、
多くの方に注射部位の痛みや腫れがあらわれます。

注射部位の副反応は、
実に80%にも見られます。

主に疼痛、発赤、腫脹で、
3日以内には収まるとのことですが、
何らかの副反応は必発と思われます。

シングリックスは2回注射が必要です。

初回から2か月開けて
2回目を接種します。

効果は今の段階で9年以上有効とされ、
水痘ワクチンより長い期間
効果が認められると考えられています。

このワクチンは不活化ワクチンなので、
免疫抑制状態にある方でも
使用することが可能です。

費用は1回22,000円(税込)と高額で、
2回打ちますので44,000円となります。

 

今のところどちらを選ばれてもいいと思います。

確実な予防を期待するのであれば、
不活化ワクチンですが、
費用も副反応も多くなります。

これまでの水ぼうそうワクチンでも、
ある程度効果が期待できますし、
費用や副作用を考えると気が楽です。

重要なことは50歳を超えると
帯状疱疹にかかりやすくなるということ、
さらに80歳までには3人に1人が、
経験すると言われていることです。

これは皆様が思っているよりも、
多い割合ではないかと思います。

そして50歳をこえると、
ワクチンで予防できるということです。

私も数年で50歳になりますので、
どちらかのワクチンを
打ってみようと考えています。

 

吉岡医院   吉岡幹博