京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
※令和5年7月より木曜日は
 休診日となりました
  • お問い合わせ

    075-451-0164

胃カメラが先か、ピロリ菌検査が先か?

2013年4月24日

4月も下旬ですが、朝方は寒い日がありますね。
私も1週間前から少し風邪気味です。
皆様はいかがでしょうか?

小児科では未だにインフルエンザが出ています。
現在はインフルエンザBが散発的に流行っています。
小さいお子様をお持ちの方は、ご用心下さい。

さて、
今年2月にピロリ菌除菌の保険適応が、
慢性胃炎にまで拡大されて2ヶ月が経ちました。

これまでは胃カメラをしていても、
潰瘍などの病気がなければ、
ピロリ菌の検査、治療はできませんでした。

それが今では、慢性胃炎(萎縮性胃炎)の所見があれば、
そのまま検査で確認できるので、
とても意義のあることだと思います。

最近は、
「ピロリ菌がいるかどうかの検査だけしてほしい」
という相談をよく受けます。

胃カメラを受けずに検査、治療をしたい方です。
それを保険診療でできるかということを聞かれます。
答えは・・・「できません」。

私も個人的には、まずピロリ菌の検査をして、
ピロリ菌がいる人にはのみ胃カメラを受けていただく、
という流れでもいいのではないかと感じております。

 

ただ現時点での話ではありますが、
厚労省はあくまで、胃カメラで慢性胃炎を認めた方からだけ、
その後のピロリ菌検査、治療を認めております。

「胃カメラ」 → 「ピロリ菌検査」

この順番でなければ、保険適応にはなりません。
残念ながら、ルールです。

確かに胃の病気はピロリ菌だけでありませんので、
ピロリ菌が陰性を理由に胃カメラを省略するのは、
少し危険かもしれません。

では症状の無い方は、
ピロリ菌を調べるだけでいいと思われますが、
基本的には無症状の方は保険診療が出来ません。

 

以上のことを考えると、
胃の症状ある方は、まず胃カメラを考慮します。
もちろん胃カメラは保険診療で出来ます。

胃カメラと同時に、又はその後にピロリ菌検査を行ない、
ピロリ菌陽性であれば保険診療で除菌する、
というのが本筋かと思います。

もし胃に症状が無い方でピロリ菌の有無だけを調べたい方、
出来れば胃カメラを回避したい方は、
自費でピロリ菌検査を受けていただく方法があります。

 

その結果により陰性であれば経過観察、
もし陽性であれば、その後は保険診療で胃カメラ、除菌。
それでもいいような気がしますね。

あくまでも、ルール上の問題です。

ピロリ除菌は胃癌を予防することが大きな目的です。
ピロリ菌の感染率が下がると、
もう少し先の将来、胃癌は減ると考えられています。

ピロリ除菌が慢性胃炎にまで拡大されたことを受けて、
北海道大学の浅香正博先生などは、
今年を「胃癌撲滅元年」と位置づけておられます。

本気で国策として胃癌を撲滅するのであれば、
症状の如何に問わず全員がピロリ菌検査を受け、
除菌をするのが好ましいと思います。

しかしながら、
それを全て保険診療でまかなうには、
医療費の財源が確保できないのではないでしょうか。

現時点では胃カメラというハードルにより、
ピロリ菌の保険診療の財源が不足しないように、
目には見えない制限をかけているような気もします。

今後アベノミクスが功を奏して景気が大幅に改善したり、
日本の領海で大量のレアアースが採掘されたりすれば、
全員が無条件にピロリ除菌できる日が来るかもしれません。

 

 

先日某東京のテレビ局より、
京都の旅番組の中でピロリ菌を紹介するので、
検査をお願いできないか、と依頼されました。

全国ネットとのことで有名人でも来るのかと思いましたが、
検査されるのは京都在住の一般の方のようです。
特に断る理由もないのでお受けしました。

 

旅番組でピロリ菌って、どんなんでしょうか?
それだけ世間のピロリ菌に対する関心が高いのでしょうか?
また、放送日が分かればご案内します。

もっともその番組では、
当院の建物も私も、全くテレビには映りません。
ただ検査の協力をするだけです。

もしどうしても出演してくださいといわれれば・・・、
エキストラぐらいが精一杯ですね。