京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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今年のインフルエンザについて(2018‐2019)

2018年9月17日

秋の長雨というのでしょうか、
梅雨のように不安定で
鬱陶しい天気が続いております。

暑さは和らぎ、
少しは過ごしやすくなりましたが、
風邪の患者様が増えてきました。

皆様は如何お過ごしでしょうか?

 

 

さて本日は、
インフルエンザのお話です。

 

先週のことです。

39度の発熱で
10代の男性が受診されました。

2日前まで海外旅行され、
関空が閉鎖されていたので、
成田経由で新幹線で戻られたそうです。

 

同じ頃東京でインフルエンザの発生を
ニュースで聞いていましたので、
念のためインフルエンザの検査を行いました。

今シーズンの当院では2回目の検査でしたが、
結果は見事に陽性でした。
A型のインフルエンザでした。

 

毎年そうですが、
1例目が出ると動揺します。

どの薬を選ぶんだったかな?
学校のお休みの日数は、
どう数えるんだったかな?

すぐに思い出すのですが、
半年以上たつと勘が鈍ります。

 

まだ予防接種も始まっていないのに、
今年も早くもこの季節がやってきたか、
と思っていたら、

同日京都新聞に山科の小学校で
インフルエンザの学級閉鎖があったと
伝えられました。

東京だけの話かと思っていたら、
もう京都にやってきていました。

 

皆様も高熱が出て、
普段の風邪より倦怠感が強い、
あるいは頭痛や関節痛がある時は、
一応検査なさってください。

 

 

ついでに今シーズンの
インフルエンザワクチンの
情報を少しお伝えいたします。

まだ詳しい日程は決まっていませんが、
今年も例年通り10月の中旬より
インフルエンザの予防接種が始まる予定です。

 

昨年は予防接種の供給が遅れ、
10月から11月にかけて全国的にワクチンが
不足する事態が起こりました。

今年はどうなのでしょうか。

 

インフル

 

厚労省のホームページによりますと、
上のグラフの通り今年は供給量が、
常に需要を上回るとの予測で、
ワクチンが品薄になることはないようです。

 

ワクチンに含まれる株ですが、
昨年と同じでA型、B型が2種類ずつ、
合計4種類(4価)ということです。

 

内容は
A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Singapore(シンガポール)/INFIMH-16-0019/2016(IVR-186)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Maryland(メリーランド)/15/2016(NYMC BX-69A)(ビクトリア系統)

で、昨年の、

A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
A/Hong Kong(香港) /4801/2014(X-263)(H3N2)
B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

とA型、B型ともに、
1種類ずつ入れ替わっています。

 

株の選定にあたっては、
WHOが推奨する株の中から、
有効性や供給可能量を考慮されて決まります。

従ってワクチンの有効性は、
毎年当たりはずれがあるようですが、
今年はどうなるでしょうか?

ワクチンを打っても、
100%かからないわけではありませんので、
流行しているときには注意してください。

 

インフルエンザウイルス感染症は
例年11~12月頃に流行が始まり、
1~3月にピークを迎えます。

最近は夏場に小さな流行があったり、
やや季節感が無くなってきましたが、
それでも冬には必ず流行します。

 

ところで皆さんはこの感染症を、
なぜ「インフルエンザ」というか
ご存知ですか?

「インフルエンザ」の語源は、
16世紀イタリアに遡るそうです。

 

当時も毎年のように冬になると流行し、
春になると自然と終息していたようですが、
まだ感染症という概念が無かったようです。

天体の運行や寒気などの影響と考えられ、
病名を「影響」を意味するイタリア語
influenza」と名付けたそうです。

 

それから500年が経過し、
ウイルス感染症という原因も判明し、
抗ウイルス薬やワクチンも開発されました。

にもかかわらず、
毎年このように変わることなく流行し、
私たちはその対策に追われています。

 

まさに当時の占星術師が名付けた、
「影響」という名前がぴったりの
病気だったということですね。

 

 

 

 

追補(2018年10月3日)
今年のワクチン供給量は十分との報告を受けておりましたが、10月に入り薬剤卸業者より、一部のワクチン製造メーカーで昨年の供給量を下回る見込みとの報告を受けております。
皆様におかれましては、少し早めにかかりつけ医療機関にご相談されるといいかと思われます。
念のため。

 

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