京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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京都は・・・大丈夫でしょうか?

2020年4月7日

いよいよ4月、新年度になりました。
桜が咲き誇っていますが、
今年はそれどころではありません。

 

本当はゆっくりと眺めたいところですが、
今年は無かったことにしようと思っています。
しばらく我慢すると散り始めるでしょう。

 

今は何をするにも、
忍耐が必要ですね。

 

 

コロナウイルスの感染が徐々に拡大しています。
医療現場で日々向き合っていると、
徐々にウイルスが迫ってきているのが分かります。

 

京都は本当に大丈夫でしょうか?
京都はこのころ感染者数が急増し、
全国でもワースト10にはいるようになりました。

 

 

行政はちゃんと動いているのでしょうか?

 

 

国が緊急事態宣言を出すこのタイミングでも、
京都の市長、知事は、
何の対策も打ち出していません。

 

ローカルニュースでちょっと拝見したところでは、
記者会見で、「強い懸念をいだいております」
のようなことを言っていました。

 

何か頼りないのです。

 

ありきたりのことしか言っていませんし、
トップに立つものとして、感染と戦うものとして、
あまり覇気が感じられませんでした。

 

 

4月2日の記者会見では市長と知事が揃って、
首都圏と大阪・兵庫への不要不急の往来や、
多くの人が集まる場所への外出、
会合への参加などを自粛するよう呼びかけました。

 

しかしこの方々、
特に門川市長に関しては、
自粛を声高に言えるわけはありません。

 

この2週間前二条城のイベントで、
門川市長は笑顔でこう言っていました。

 

「自粛が萎縮になる、
観光客には大いに楽しんでほしい」

 

折しも大阪府と兵庫県が、
感染拡大につき互いの往来を
自粛するように要請していたさなかです。

 

その後の経過は、
皆さんお知りの通りです…。

 

 

そこで、
これまでの経過をたどりながら、
京都の現状と課題を整理したいと思います。

 

 

やはり出だしは、
この発言からです。

 

 

● 「自粛が萎縮」と発言

 

これが京都での感染増加の、
引き金になった気がします。

 

桜が開花し始める3連休を控え、
皆さんの新型コロナウイルスに対する警戒心が、
少し緩んだのではないでしょうか。

 

 

● 京産大クラスターが発生

 

京都産業大の学生に端を発した、
新型コロナウイルスの感染拡大で、
京産大生を巡る感染者は50人を超えました。

 

 

この記者会見でも市長は、
途方に暮れたような顔をしていました(写真手前)
まるで被害者のような表情ですね。

 

リーダーがこの姿勢では、
市民を守ることは絶対にできませんね!
ましてや強敵のコロナと向き合うことなど…。

 

 

これまでの京都の感染者の経過は
下のグラフのようになります。

 

 


(新型コロナウイルス感染速報より)

 

 

「自粛が萎縮になる」発言の2週間後の
4月2日前後になると、
急激に増加しているように見えます。

 

東京と同じような曲線に見えませんか?

 

京都は感染者数では東京より圧倒的に少ないですが、
人口当たりで行くと、福井県、東京都に次ぐ
全国で3番目の発生率なのだそうです。

 

これは大変なことです。
東京は感染者数増大で大騒ぎになっています。
連日知事が記者会見し対策を述べています。

 

京都はどうですか?
市長、知事は何か言いましたか?

 

 

● 感染患者の情報提供が極めて少ない

 

京都市のHPでは毎日感染者の概要が、
報告されています。

 

ただ経過だけが書かれていて、
感染経路など調査中が多く、
その後の情報もどこにあるのかわかりません。

 

件数が増えるつき、
報告はだんだん簡略化されています。

 

例えば

 

本市〇例目
1 年齢・性別・住所地
市内在住の〇代男性
2 経過
〇月〇日 発熱(38.0℃)
〇月 〇日 発熱 咳
A医療機関受診 CTで肺炎像確認
B医療機関紹介受診 検体採取
〇日 検査の結果,陽性を確認
3 現在判明している概要
・職 業 飲食店営業
・濃厚接触者 同居家族〇名 従業員〇名

 

これでは発生場所も感染経路も
何もわかりません。
後日情報を追加もしていないようです。

 

 

● 帰国者・接触者センターは機能不全

 

繋がらない、繋がっても検査してくれない、
自宅待機か医療機関受診を勧めるケースが
ほとんどのようです。

 

ただしセンターの職員の方、保健所の方は、
電話が急増する中、休日も含め24時間体制で
必死で仕事をされていると思います。

 

それでも現場はかなり疲弊しているようです。
検査できる件数が限られているためか、
信じられない対応をされている方もおられます。

 

「その症状はコロナではないから、
開業医に行ってくれ」など…。

 

熱があり風邪の症状を訴えているの方に、
医師や看護師ではない電話対応の方が、
どうしてそのようなことが言えるのか?

 

コロナでないかどうかを調べるための
検査の窓口であるはずです。
ちょっとこれでは話になりません。

 

システムを変えるか、
体制を大幅に強化するかしないと、
感染爆発したときに対応できないでしょう。

 

 

● 準備したベッド数がたったの38

 

4月7日現在、
ベッド数38に対し患者数93人。
既にパンクしています。

 

現時点で患者数がベッド数を
上回っている都道府県が6ありますが、
ベッド数に対する患者数の比率で行くと
京都は神奈川県と並び最悪のレベルです。

 

京都は大学病院も2つあり、
基幹病院も多数あり、
全国でも医療が充実しているエリアです。

 

これ程準備期間があったというのに、
何を行っていたのでしょう。
これからどうするかという指針もでていません。

 

 

● 宿泊施設は多いが活用できず

 

東京はAPAホテルを
軽症者用の療養施設にしました。
京都は観光客が来なくなり空室が目立つホテルを
何か活用するなど考えているのでしょうか?

 

 

● 学校が4月6日に再開

 

京都市では76人の感染が確認されていますが、
国の専門家会議で提言された「感染拡大警戒地域」にあたらず、
4月6日から学校が再開されました。

 

再開にあたっては、子どもたちの感染予防を徹底するため、
▼体温や健康状態を家庭で記入してもらう「健康観察票」を確認、
▼子どもたちの座席の間は十分なスペースを空け、
▼部活動は原則中止するなどの取り組みを行うとしています。

 

保護者の判断で子どもを登校させない場合は、
欠席扱いにはしないということです。

 

 

果たして一斉休校が始まった2月末の時点より、
感染者が急増している中、
学校の再開は適切でしょうか?

 

またこの▼の3項目で、
子供たちの安全は確保できるのでしょうか?

 

国が「感染拡大警戒地域」に当たらないといえば、
大丈夫といいたいのでしょうが、
そのあたりに主体性のなさが伺えます。

 

 

● 休みたければ休んでも構わないという制度

 

休校などは一斉にすることに意義があるのに、
休みたいと思えば休んでもいいと、
家庭に子供の登校の判断を投げています。

 

これは親の立場を苦しめると思います。

 

このような感染者数が増加している中で、
またすべての感染者が把握できていない中で、
再開させることにものすごく不安を感じます。

 

子供の命は大丈夫か?
誰が守るのか?親か、学校か、行政か?
教室でクラスターが発生するのではないか?
京都で感染爆発を起こすきっかけにならないか?

 

しかし京都市教育委員会は6日になって、
幼稚園や小中学校、高校などの市立学校を
10日から5月6日まで休校にすると発表しました。

 

最初から再開を延期するといえば良かったのでは?
なぜ明日からでも休校にしないのか?

 

非常事態宣言が出たというならそれまですが、
自分たちで決めずに国が出したからという
言い訳が見え隠れします。

 

対策が行ったり来たりで一貫性がなく、
周りの府県と同調もできずです。

 

 

● 既に医療機関に影響が出ている

 

三菱京都病院(西京区)の男性医師。
南京都病院(城陽市)の30代の女性看護師。
北山病院(左京区)の30代の男性看護師。

 

これらの感染で各医療機関は、
約2週間の外来閉鎖などを行っています。

 

 

● 国の緊急事態宣言の指定地域からも漏れる

 

京都は全く安全ではありません。
対策を次々に講じている大阪の方が、
透明性もあり安心できると思います。

 

この窮状を全く発信しないのでニュースにもならない、
何かを対策するわけでもなく助けを求めるでもない。
全国有数の感染者数増加地域ながら、
国の緊急事態宣言指定地域から外れてしまいました。

 

これで京都は益々対策が遅れ、
京都全体の危機意識も上がらずに、
このまま感染者増加を続けそうです。

 

京都は人口当たりの感染者数では、
全国で3番目に多い感染拡大の著しい地域です。
本来であればもっと厳重に管理しなければ
今後の拡大を抑えることはできません。

 

 

 

今まで京都は観光という資源に頼って、
過去の遺産で生きてきました。
大した投資もせず楽な運営だったともいます。

 

今回の件で、
長く京都の市政を預かってきたトップの
危機管理能力のなさが浮き彫りになりました。

 

 

全国的に見ても、
若くて行動力のある、
リーダーが求められているように思えます。

 

 

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