医療法人博侑会 吉岡医院
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新型コロナウイルス感染症による医療の変化について

2020年4月17日

春の陽気が爽やかな今日この頃、
皆さんは大半を自宅でお過ごしのことと存じます。
本来なら旅行や食べに出歩きたくなる季節ですね。

 

今その様なことができるのは、
安倍昭恵さんぐらいです。
私も含め皆様はぐっと我慢の時期かと存じます。

 

 

昨日は全国に緊急事態宣言が発令されました。
その中でも京都は依然として感染拡大の
重大局面を脱し切れていません。

 

当院から数百メートル先にある堀川病院でも、
見舞い患者から端を発した
院内感染が思いのほか広がっています。

 

もう新型コロナウイルスは、
すぐそばまで押し寄せてきています。
あるいはすでに飲み込まれているかもしれません。

 

ますます厳重な注意が必要です。
皆様も十分お気を付けいただき、
『 STAY HOME 』実践なさって下さい。

 

 

 

 

さて、
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、
私どもの日常の医療も大きく変化しています。

 

特に3月末から4月にかけては、
院内感染予防の観点から、
様々な分野で医療の制限が言われております。

 

また今年4月は2年に1度の
診療報酬改定のタイミングが重なったこともあり、
制度そのものが移行する時期です。

 

 

今回は皆様にとっても身近な、
医療情勢の最近の変化について、
簡単に情報提供をさせていただこうと思います。

 

お役に立つかはわかりません。

 

また少し長くなるのと、
ややこしい話もあり、
お時間のある時にお読みください。

 

 

 

● 全身麻酔の手術の制限

 

日本麻酔科学会は4月7日緊急提言を出し、
「COVID-19 陽性患者または疑い患者については、
原則予定手術は行わず、緊急性が高い手術のみの対応
とすることが望ましい。」としました。

 

全身麻酔の際に気管内挿管を行いますが、
この手技で患者様からエアゾルが発生します。
これがその場にいた医療従事者に暴露するのです。

 

従って陽性、または疑いの患者様だけではなく、
無症状の方の麻酔に関しても、
もしその方が感染者であれば院内感染を引き起こします。

 

今は大学病院などの大きな病院でも、
がんの手術を除く緊急性のない手術は、
ほとんどがキャンセルになっているようです。

 

東京の病院によってはがんの手術も、
延期になっているとかで、
新型コロナウイルスによる被害は、
他の重大な病気の患者様にも影響しています。

 

このように本来受けられる医療が
十分機能できなくなるという点からすると、
小さな医療崩壊が起こり始めていると言えます。

 

手術を行う側の日本外科学会からも
声明を出しています。

 

詳細は省略しますが、
手術を行う必要性と延期の可能性について
言及しています。

 


(米国外科学会が推奨する手術トリアージの目安)

 

これは手術前に感染していた患者さんが、
術後に新型コロナウイルス感染症により
肺炎になるリスク(場合によっては死に至る)を
避けるものでもあります。

 

また医療提供者及び地域の安全と健康を確保することを、
個別の手術ごとに検討して決定するようにと、
提言されています。

 

街中にウイルスが広がってきていると仮定すると、
命にかかわらない手術をすることに対する
検討が必要となります。

 

またこれまでと同様に毎日多くの手術を行えば、
それだけ手術室の感染の確率は高くなります。

 

感染がおこって手術場が閉鎖される、
関係者が感染あるいは自宅待機になると、
病院そのものの機能が失われます。

 

これだけは何としてでも
避けなければなりません。
本来救える命も救えなくなります。

 

 

● 耳鼻科・歯科の診療が制限

 

これと同様のことが、
耳鼻科や歯科の検査や治療にも当てはまります。
鼻や口を扱う診療は、
医療従事者の暴露のリスクが非常に高くなります。

 

 

● 消化器内視鏡(胃カメラ・大腸カメラ)についても

 

消化器内視鏡診療にあたっては、
特に経口・経鼻での施行では患者の咳嗽を誘発する場合もあり、
エアロゾルによる医療従事者への感染も危惧されます。

 

糞便からのウイルス排出の可能性も指摘されており、
下部消化管内視鏡検査における
潜在的な感染リスクもあるとされております。

 

従って当院も4月にはいってからは、
特に胃カメラを中心に、
お断り、あるいは延期させていただいています。

 

大腸検査に関しては、
血便なのどの症状がる方には、
十分な予防策を講じ行っています。

 

しかし1回の検査時間が20分くらいかかるため、
もし患者様が感染されていた場合、
接触者となり自宅待機となる可能性もあります。

 

 

ただ簡単に中止や延期にすることにより、
本来は発見されていたはずの病気(がんなど)が、
見逃される可能性があることも考えられます。

 

そのあたり、
今後の感染状況を見ながら
難しい判断を迫られると思います。

 

 

● オンライン診療・電話等規制緩和

 

コロナウイルス感染症拡大につき、
外出の自粛要請や、医療機関での感染の機会を減らすため、
オンライン診療の規制が緩和されています。

 

本来オンライン診療は通院で行う対面診療と、
併せて行うもので、
3回のうち1回は通院しなければなりません。

 

それが今回はその縛りがなくなりました。

 

またオンライン診療はスマホやタブレットで、
画面を通して診療するものですが、
今回は特例として電話での診療も認められています。

 

従って多くの医療機関でまだ普及していない
オンライン診療が、
電話で行えることになっています。

 

さらに従来のオンライン診療では
認められていなかった、
初診の診療も今回暫定的に認められています。

 

コロナウイルス感染防止のためには、
やむを得ないことだと思いますが、
さすがに初診を電話では無理があります。

 

見ず知らずの患者さんと電話のみで、
診断や治療を
適切に行える自信が持てないからです。

 

せめて画面を通して顔の表情やゼスチャーなどで、
症状を説明するのであれば、
何とかなりそうな気がします。

 

電話で得られる情報のみで診察できるなど、
私たちは初診の患者様に対し、
簡単な診療を行っているのではありません。

 

結局診断がつかず、
自院に来ていただくか病院に紹介するなど
必要になるかもしれんません。

 

 

逆に場合によっては制度を悪用したり、
詐欺まがいのことをされる可能性もあります。
初診の電話対応はリスクを伴います。

 

これは大変重要なことだと思います。

 

医療現場が犯罪に巻き込まれたり、
被害にあうケースが出てくるのではないでしょうか。
このあたり慎重にして頂きたいと思っております。

 

 

● トリアージ加算

 

今回新型コロナウイルス感染症の診療に対し、
診療報酬上の加算が付くことになりました。

 

新型コロナウイルス感染症が疑われる患者様を
診療した場合には、
必要な感染予防策を講じた上で
院内トリアージ実施料(300点)を
算定できるようになりました。

 

感染が疑われる患者様が医療機関を受診すると、
本来の医療費の上に3割負担の方では900円、
窓口での支払いが増えることとなります。

 

 

現在微熱だけ、倦怠感だけといった
軽傷の患者様の受診が難しくなっています。

 

開業医では発熱等の患者様に対し、
コロナウイルス感染症の診断ができません。
また治療もこれというものはありません。

 

従って役所によるPCRが先だと思っておりますが、
そもそも役所は37.5度以上が4日以上続くなど、
診断基準に見合った人しかPCRに廻しません。

 

役所にも断られクリニックにも断られる
たらいまわしのケースが増えています。

 

 

医療機関としては、
コロナかどうかわからない風邪の患者様を、
院内感染予防の点からあまり診たくないのです。

 

またそのような方を診るときには、
帽子、マスク、フェイスシールド、袖付きガウンなど、
感染予防を徹底して行わなければなりません。

 

ただでさえ防護関係は品薄なのに、
単なる風邪である可能性が高い患者様が多く来られると
医院にかかる労力と費用負担は相当大きくなります。

 

 

その様な事情もあり国は医療機関に
感染疑いの患者様を積極的に診療させるため
300点=3000円の診療報酬の上乗せを行いました。

 

当院はこの加算が付く以前から、
患者様の立場に立って、
できるだけ受け入れております。

 

ただし院内感染を惹き起こすプレッシャーも強く、
従業員の安全性のことも考えると、
正直負担が重いと思うことも多々あります。

 

この300点が妥当かどうかわかりませんが、
私たちは日々危険と向き合いながら、
仕事を行っております。

 

 

● 各種防護用品の確保に奔走

 

マスク、ガウン、手指消毒といった、
感染対策に欠かせない物品も、
近頃は提携している医療器具の業者を通じても、
全く供給されない様になりました。

 

ネット通販でも軒並み品切れや、
通常では考えられない値段の高騰もあり、
いつか枯渇するかもしれない恐怖と戦っております。

 

先日は当院の患者様より、
SIRSの時に買ったという古いマスクを、
無償提供していただきました。

 

このご時世に、
大変ありがたい申し出でした。
感謝しつつお受けいたしました。

 

さすがに防護服なしの丸腰では、
ウイルスと対峙することはできません。

 

そういう意味では毎日コツコツと、
ネットの販売をチェックし、
1か月後を見据えながら調達しています。

 

 

● ささやかな取り組み

 

最後に当院のささやかな対策です。

 

受付カウンターに、
飛沫防止用のパーテンションを取り付けました。

 

 

透明なのでわかりくいかもしれません。
開業医の中でもいろいろ工夫して、
自作されている写真が送られてきます。

 

受付の職員たちを
感染から守らなければなりません。
彼女たちは医療従事者ですが、
本来は一般の方と同じ立場です。

 

この大変危険な状況にあっても、
医院の入り口に立ち
当院を支えてくれています。

 

彼女たちがいてくれるので
こうやって医療を継続することができます。
つまりとても感謝しています。

 

 

とは言つつコスト削減のため
何とかDIYでやってみようと思いましたが、
能力がなく業者の方にお願いしました(泣)

 

でも逆に安全でいいものができました。
パネルが落下して怪我でもしたら大事です。
しばらく使うことになるので良かったと思います。

 

 

また診察室では、
医師と患者さんが至近距離で話さない様に、
1mの空間を設けました。

 

 

患者様からの感染予防ということもありますが、
逆に私が知らないうちに感染していて、
患者様にうつしてしまうのを防ぐためのものでもあります。

 

何しろ密接を避けなければなりません。

 

ただ離れると声が聞こえにくくなり、
結局大きな声で勢い良くしゃべるので、
リスクは変わらないかもしれません(笑)

 

 

今日から5月連休明けまで、
緊急事態宣言が出ております。

 

少しの努力が大きな成果を挙げると思います。
皆様と一緒にここは何とか踏ん張って、
感染拡大が防止できることを願っています。

 

 

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