京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

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ワクチン接種はコロナからインフルエンザへ

2021年10月17日

10月も中旬というのに、
今年はとにかく暑かったですね。

残暑というのかわかりませんが
ずっと半袖のまま過ごしておりました。
この雨でようやく気温が下がるそうです。

皆様風邪などにご注意ください。

そういえば、
コロナウイルスも緊急事態宣言解除後も
増える気配がありませんね。

本当に不思議なくらい減っています。
これまでも緊急事態宣言の発出と解除を繰り返しましたが、
解除後は十分に減少する前に次の波がやってきました。

それが今回は解除後も増えてきませんね。

 

NHKの「新型コロナウイルス特設サイト」に
グラフがありますので引用させていただきます。
第5波の波の大きさと減少率に驚かされます。

 

 

8月20日ごろには1日MAXで25,000人だったのが、
2か月足らずのうちに484人まで減少。
その間に行ったのは緊急事態宣言の発令と解除だけですね。

ワクチン接種も確かに進んでいますが、
接種回数は6月より10月までなだらかに上昇しており、
感染者数のグラフの波形には一致しませんね。

 

 

ワクチン接種の功績もあると思われますが、
後半の波には変異株が猛威を振るったこともあり、
本来のコロナウイルスやα型は淘汰されました。

それぞれ変異株の性質が波の形の変化として、
現れているのではないでしょうか。

 

さて、世界に遅れてワクチンを打ち始めた日本も、
気が付いてみれば国民の74%が1回目終了、
66%が2回目まで終了したことになっています。

これは当初からワクチン接種を進めてきた
アメリカ、イギリスの接種割合をも
上回ってきております。

 

 

今は退任しましたが、
菅総理と河野ワクチン担当大臣が、
頑張った結果でしょう。

 

これに伴いコロナワクチン接種の事業も
2回目接種までの回がぼちぼち終了です。

現在西陣織会館で行われています
京都市上京区の集団ワクチン接種ですが、
10月24日(日)でいったん終了となります。

また当院でも行っておりました
個別医療機関でのコロナワクチン接種も、
需要がなくなり今月末には終了となります。

そして今般話題に上っている
3回目のコロナワクチン接種ですが、
2回目接種の8か月経過後から打てるようです。

まだ詳細は決まっていないようですが、
医療従事者が打ち始めた時期からすると、
早ければ年末くらいから開始でしょうか。

 

因みに3回目接種の目的は、
「ブースター効果」です。

デルタ株に対する感染予防効果について、
ファイザー社は2回接種から4カ月目には
53%まで低下すると報告しています。

そして同社は3回目の追加接種により、
感染を防ぐ中和抗体の量や強さを示す「抗体価」が
接種前の3.3倍に増加したと報告しています。

しかし副反応の問題もあります。
3回目は2回目と変わらないとの報告もありますが、
血栓症などの重篤な副反応には注意が必要です。

 

さて、
一旦打ち切りとなったコロナワクチンに代わり、
2日前から始まったのがインフルエンザワクチンです。

先日の10月15日は初日ながら、
当院には多くの方が打ちに来られました。

我々医療機関が危惧していたのが、
コロナワクチンを引き続き打ちながら、
同時期にインフルエンザワクチンを
打たなければならないのではないかということでした。

インフルエンザワクチンの接種は、
実は毎年大変なのです。

2か月くらいの期間のうちに、
1000回を超える接種を行うわけですから、
接種者の多い日には本当に目の回るような忙しさです。

それに加えてコロナワクチンも打つとなると、
打つ方法(皮下注射と筋肉注射)、
打つ場所(肘の少し上と肩)、
打つ量(0.5mlと0.3ml)が異なるため、
接種ミスが起きるのではないかと心配しておりました。

またコロナワクチンとインフルエンザワクチンは
2週間開けなくてはならなので、
接種間隔も考えなくてはならなりません。

 

それがインフルエンザワクチン接種が本格化する11月には、
コロナワクチンは一旦終了していることになりましたので、
大きな負担、プレッシャーが減ることになりました。

偶然とはいえ、
とてもよかったと思います。

 

ところで、
去年は全く流行しなかったインフルエンザ、
今年はどうなるのか気になりますよね。

去年はコロナウイルス感染対策が、
インフルエンザウイルスの強力な感染対策になり
流行しなかったと言われています。

また「ウイルス干渉」が起こったとも
いわれています。

「ウイルス干渉」とは
あるウイルスが流行すると他のウイルスが
流行しないというものです。

ウイルス同士で宿主の奪い合いをして
勝ち負けが出ているような状況です。

コロナウイルスが流行した結果、
インフルエンザウイルスに出る幕がなかった
ということですね。

結論は出ていないと思いますが。

 

さて、
流行の参考となる今年の南半球の感染状況では、
オーストラリアでは昨年同様に
インフルエンザ感染は極めて少なかったそうです。

このことから推測すると、
今年も流行しないのではないかと
考えられます。

一方で前シーズン、
インフルエンザに罹患した人は少数であったため、
社会全体の集団免疫が形成されていないとも考えられます。

英国政府は、昨年流行がなかったために、
例年の1.5倍の大きさの流行になる可能性があるとして、
インフルエンザワクチン接種を呼び掛けています。

どちらに転ぶかはわかりませんが、
インフルエンザワクチンは副反応の少ないワクチンですので、
毎年打たれている方は打っておく方が安心ではないでしょうか。

 

これから年末まで
インフルエンザのワクチン接種が続きます。

今年はコロナもインフルエンザも、
両方落ち着ていることを願っています。

そして年末年始は久しぶりに、
食事会や旅行などを不安なく、
楽しめるようになるといいですね!

 

吉岡医院  吉岡幹博