京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
診療時間 午前9時~/夜診17時~
婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
※令和5年7月より木曜日は
 休診日となりました
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医薬品不足について

2023年7月27日

祇園祭りも無事に終わり、
京都も本格的な夏を迎えました。
暑いというより苦しいと思うような毎日です。

最高気温39度など体温より遥かに高い温度。
コロナの高熱でふらふらになっている方と同じ温度です。
日中はあまり外に出ない方がいいと思います。

水分補給をしっかり行い、
室内はエアコンで温度調整されてください。
そして過労にはお気を付けください。

 

 

今日は医薬品の供給不足のお話です。

コロナの第9波が続いていますが、
9波の入り口のころから、
風邪薬と咳止めが不足するようになりました。

当院に隣接しているウィズ薬局さんは、
チェーン店の薬局ですので、
薬品仕入れは比較的安定しています。

それでも最近はしばしば出せなくなっているので、
今どの咳止めなら在庫があるかを薬局に確認しながら
患者様に処方しています。

恐らく咳止めはコロナの流行による
需要の増大による品薄と考えられますが、
以前はトランサミン(風邪薬)も不足していました。

コロナによる材料供給不足なども
原因と考えれていますが、
一方で皮膚科や美容整形で大量に使われていたりします。

 

最近は意外な薬が市場で品薄になっています。
糖尿病で使用する皮下注射剤、
GLP-1受容体製剤のトルリシティ―です。

インスリンの分泌を促して
血糖をコントロールできるほか、
1週間に1度自己注射するという打ち方が特徴で、
多くの方が処方され治療しています。

このお薬は特に新薬でもないのですが、
このとこと需要が高まっているとのことです。

一部ではどうやらこちらの薬においても、
美容系の自由診療でに使用されていることもあり
供給が不足しているのではないかと言われています。

 

この件についてあるメーカーの方と話していたところ、
実際は美容系でも使用されているものの、
その数は限定的だということでした。

恐らく欠品の本当の理由は、
この薬剤の優れた点が高く評価されていることから、
糖尿病の患者様で使用される方が増えたからとのこと。

糖尿病ガイドラインで位置づけが明記されたことも、
最近特に需要が高まった理由ではないかということです。

とはいえ、
本来使用するはずの糖尿病の患者様ではなく、
美容系でも使用されているのも事実です。

ここはメーカーも含め、
治療として必要とされる方に優先的に
使用させていただきたいと思います。

 

このように様々な理由も有り起こる、
主要な医薬品の供給不足。

これまではワクチンの供給が不足する、
というようなことはよくあったのですが、
ここまで日常的に使用するお薬が不足することは、
それほど多くありませんでした。

やはり日本の医療政策における薬価の引き下げが、
薬品メーカーの体力を奪い、
薬品の供給不足に繋がっているのではないか…。

その様にも感じられる今日この頃です。

 

吉岡医院 吉岡幹博