京都市上京区の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科・一般内科・小児科 吉岡医院

医療法人博侑会 吉岡医院
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二次性高血圧症について

2023年10月7日

日中の気温も徐々に低下し、
ようやく秋らしくなってきました。
さすがに半袖では寒い時がありますね。

コロナ第9波の勢いも収まりつつあり、
現在の主戦場はインフルエンザになりました。
今年は早くも流行の兆しです。

高齢者のインフルエンザワクチンですが、
前倒し接種をするようにとの行政からの指導があり、
当院でも10月2日より開始しています。

高齢者以外の方でも接種を開始しております。
ご希望の方はご連絡の上お越しください。

 

 

さて、
今回は高血圧症についてのお話です。

50歳くらいになると血圧が上昇し、
お薬を飲まれている方も多いと思います。

その高血圧症には大きく分けて
2種類あるのをご存じでしょうか。

一般的にいわれる高血圧とは、
生活習慣・食生活・遺伝的素因など様々な要因により
発症するものを指すことが多く本態性高血圧といいます。

多くの高血圧患者さんはこれにあたります。
85~90%を占めると言われます。

一方、高血圧の10~15%は、
何らかの原因がある二次性高血圧といわれています。
これは、ホルモン分泌異常、腎臓疾患、
薬剤の副作用などが原因で起こると考えられます。

本態性高血圧は生活習慣の改善なしには治りませんが、
二次性高血圧は原因を明らかにし適切な治療をすると、
治癒が期待できる高血圧です。

 

では二次性高血圧には、
どのような病気があるのでしょうか。

 

・内分泌に関するもの

原発性アルドステロン症
クッシング症候群
褐色細胞腫
甲状腺機能低下症
甲状腺機能亢進症
副甲状腺機能亢進症など

 

・腎臓に関するもの

腎血管性
腎実質性

 

・その他

睡眠時無呼吸症候群
薬剤
大動脈縮窄症など

 

各疾患に対する説明は省略しますが、
この中でも比較的多いとされるのが、
原発性アルドステロン症です。

この病気は、
アルドステロンというホルモンの
過剰分泌が原因です。

アルドステロンとは
副腎から分泌されるホルモンで、
体内の塩分を増やす作用があります。

これが過剰に分泌されると、
塩分を摂り過ぎていなくても血圧が上昇するのです。

スクリーニング検査として採血を行い、
アルドステロンの数値や
アルドステロン/レニン比を評価します。

 

若年で発症する高血圧、急速に発症した高血圧、
治療抵抗性の高血圧、
低カリウム血症などの電解質異常を伴う高血圧など、

すべての高血圧は、
二次性高血圧の可能性がありますが
上記のような場合に特に可能性が高くなります。

 

今回は非常に身近な病気である高血圧症に、
二次性高血圧症があるというお話でした。
ご参考になれば幸いです。

 

吉岡医院  吉岡幹博