2025年1月17日
寒い日が続いていおりますが、
皆様お変わりございませんでしょうか。
インフルに加えコロナの患者様も増えてきて、
発熱外来はますます込み合っています。
皆様も今一度マスクなど対策をなさってください。
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さて、
今回は当院の胃カメラ検査の受け方について、
いくつか選んでいただくポイントがありますので、
それについて簡単に説明させていただきます。
もう今まで何回も受けている方や、
毎年受けて特に苦痛もなくできているという方には、
特に目新しい情報はありませんのでご注意ください。
胃カメラを受ける方法としては、
①麻酔(鎮静剤)を使うかどうか
②口から入れる(経口)か鼻から入れるか(経鼻)を選ぶ
この2つの組み合わせで4パターンがあります。
まず前提として、
胃カメラは苦痛を伴う検査の一つです。
それなので特に初めて検査を受ける方は、
どの方法で受けるか慎重に検討します。
まず一番に検討するのは、
麻酔を使うかどうかです。
麻酔とは静脈麻酔のことで、
鎮静剤を検査の直前に点滴から入れることです。
喉や鼻に麻酔の液体を使うものは局所麻酔で、
こちらは全員に行うものです。
麻酔を使用するとかなりの苦痛は軽減できます。
若い方や喉の反射が強い方、不安が強い方は、
基本麻酔を使われる方がいいでしょう。
どなたも麻酔を使えるといいのですが、
麻酔の使用後は終日自転車とバイクと車の運転が、
出来なくなります。
検査後に車の運転をされる方は、
使用することできませんのでご注意ください。
麻酔を使うことを選択した場合には、
まずは鼻から入れるのではなく、
口からを選んでもらっていいと思います。
経鼻で行うためには、
鼻腔をカメラと同じ太さのチューブを通して、
使用可能か見る必要があります。
そのため麻酔がかかる前の状態で鼻にチューブを通し、
通過可能な場合はそのまま麻酔のゼリーを付けて
鼻腔の麻酔と拡張を行います。
その前処置が苦痛という方もおられます。
それならしっかり麻酔をしたうえで、
経口の胃カメラを実施すればいいと考えます。
ポイント①
初めての方は、
麻酔を使用し経口の胃カメラをお勧めします。
では、
麻酔をしたうえで経鼻内視鏡を選ぶのは
どのような時でしょうか。
前提として喉の反射は、
経口より経鼻のほうが少なくなります。
従って麻酔を使用しても喉の反射が強い方は、
経口ではなく経鼻を選択するほうがいいと思います。
ただし経鼻内視鏡は、
全員が可能というわけではありません。
鼻腔が狭い方はカメラが通過しない方もおられます。
また何とか通過しても痛みが強く苦痛があると、
何のために経鼻内視鏡にしているか分かりません
そのような方は残念ですが経口しかできないのです。
ポイント②
麻酔を使用しても経口カメラで反射が強い方は、
麻酔下に経鼻内視鏡を選択するのがいいでしょう。
検査当日に車やバイク、自転車を使用する方は、
麻酔を使用することはできません。
麻酔を使うことができない方は、
まずは経鼻内視鏡を行うのがおすすめです。
麻酔なしで経口はやはり苦痛を伴うからです。
ポイント③
麻酔を使用しないのであれば、
経鼻内視鏡を行うのが良いでしょう。
そもそも経鼻内視鏡は、
麻酔を使用しない時代に経口がしんどい方用に
開発された経緯があります。
その時代には鼻腔を通るほどカメラを細くするのは、
大変な技術が必要でした。
そのため長い間、
口から入れる内視鏡と経鼻内視鏡では、
画質に大きな開きがありました。
経鼻内視鏡は楽な分、
画質は犠牲にしているというものでした。
それは今では画質が飛躍的に向上し、
経鼻内視鏡でも標準的な経口内視鏡と同じ、
ハイビジョン画質となりました。
それなので画質の点で、
経鼻内視鏡をためらう必要はありません。
なぜなら当院では経鼻内視鏡も経口内視鏡も、
同じ極細径で高画質カメラを使用しているからです。
最後に麻酔を使用せず、
経口内視鏡を使用するケースについて説明いたします。
麻酔を使用することができない方で、
そして鼻が狭かったり鼻腔が敏感な方で
口からのほうがましという場合はこのやり方になります。
昔は全員麻酔なしで経口で行っていたことを考えると、
このやり方でできないことはありません。
喉の反射が強くない方は積極的に希望される方もおられます。
この方法が一番シンプルで、
検査前に点滴を取ることもなく、
検査後休んでいただく必要もありません。
さっときて検査を受けてさっと帰れる、
その様なメリットがありますので、
胃カメラ後に通常の仕事をされる方など、
お忙しい方に向いています。
ポイント④
麻酔が使えない方、使う必要のない方で、
経鼻内視鏡が苦痛、または経口でも我慢できる方は、
麻酔なしで経口内視鏡となります。
最後に、
内視鏡で苦痛と関係があるのは、
術者の腕もさることながら内視鏡の太さです。
カメラが細いほど楽なのは間違いありません。
当院で使用しているカメラは、
ハイビジョンで極細径のカメラです。
画質がいいので経鼻内視鏡のみならず、
経口内視鏡としても十分に使用できます。
当院での胃カメラが苦痛が少ないと言っていただけるのは、
結局のところ、積極的に麻酔を使用していること、
細径の内視鏡の使用によることが大きいです。
まとめますと、
楽な胃カメラを行う要因は、重要なものから順に、
① 麻酔の併用
② 細い胃カメラの使用
③ 医師の技量
と考えています。
なお患者様によっては、
④ 医師との相性
が重要な方もおられます。
特に当院で受けていただいている患者様には、
この点を重視されている方が多いと感じています。
ご参考になれば幸いです。
吉岡医院 吉岡幹博