2025年2月17日
2月も中旬となり、
時折寒さの和らぐ日が出てきています。
昨日の京都マラソンも無事に行われたようですね。
インフルエンザは小康状態、
コロナの方は毎日数名出ています。
ほとんどの方は軽症ですが、
時々若い方でも重症化し入院される方もおられ、
風邪症状の際には発熱外来でご相談ください。
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さて今回は帯状疱疹ワクチンのお話です。
帯状疱疹とは若者からお年寄りまで、
幅広い年齢層で起こる皮膚に発疹が出る病気で、
水痘・帯状疱疹ウイルスが原因で起こります。
ピリピリした痛みやかゆみが発生したのち、
片側の皮膚に赤い発疹や水ぶくれが帯状に広がります。
痛みは強く特に高齢者では帯状発疹後神経痛として残ります。
治療には抗ウイルス薬が使われます。
早めに治療を始めることで重症化を防ぎます。
痛みが強い場合は鎮痛薬や神経ブロックなどもあります。
予防には帯状疱疹ワクチンでが有効とされています。
50歳以上の人に推奨されています。
と、このような病気なのですが、
発症しても抗ウイルス薬があるため
病気自体は治るのですが、
問題はひどい神経痛を患うことがあることです。
これは長期間続いて日常生活に支障が出ることもあり、
これを予防する目的でワクチン接種が推奨されています。
当院でも3年ほど前からワクチン接種を行っています。
このワクチンは任意接種といって、
公費負担がなく全額自己負担で行っているものです。
詳しくは当院の過去のブログを
ご参考になさってください。
このワクチンは以前から、
定期接種(行政が公費負担する)となることが望まれていて、
一部の市町村では独自に公費負担を積極的に行っています。
京都市は今のところ公費負担がないため、
国からの定期接種化が望まれておりました。
そして先般厚労省から、
令和7年度の予防接種法の改正について、
報告がおりてきました。
そしてそののち京都府医師会を通じて、
京都市から帯状疱疹ワクチン定期接種化の概要について、
報告がありました。
以下その際に示された要件です。
1 概要
(1)対象者
・65歳になる方
・満60歳~64歳で免疫機能に一定の障害を有する方
・経過措置当初5年間は、70歳、75歳、80歳、85歳、
90歳、95歳、100歳となる方を対象
(令和7年度は101歳以上も対象)
(2)ワクチン生ワクチン及び不活化ワクチンの両ワクチンが定期接種の対象
生ワクチン :接種回数 1回 部位 皮下
不活化ワクチン: 接種回数2回 間隔2か月以上 部位 筋肉内
(3)開始時期令和7年4月1日~
(4)その他
・過去に帯状疱疹にり患された方も接種可能
・過去に帯状疱疹の任意接種を受けた方も接種可能だが、
ワクチンの予防効果が持続していると考えられる方等は対象外
このようになっております。
問題は我々が負担する費用ですが、
自己負担額は各市町村が状況におうじて
決めることができるようです。
その中で今回京都市の提示した自己負担額は、
意外なくらいに高かったです。
何と18,000円です。
「ジャパネットたかた」の通販番組なら、
ここから半額になりさらに下取りもついてなどありますが、
京都市の提示は断固としてこの値段だそうです。
当初京都府医師会と京都市の取り決めでは、
違う金額で合意していたそうですが、
最終調整の段階でこの金額が提示されたとのことです。
約束が違うと医師会も猛反対したとのことですが、
覆らなかったそうです。
京都市以外の京都府下の市町村に関しては、
報告では今のところ調整中とのことですが
自己負担は3割から5割程度を見込んでいるそうです。
京都市だけ自己負担額が極端に多いと言えます。
これでは積極的に検討する人はいないと思います。
京都市は以前より財政難ですが、
財政難なのは他の地方都市も同じだと思います。
この制度5年間をかけて65歳以上の方全員が対象となる予定ですが、
人によっては4年間ほど待たなければなりません。
その間に帯状疱疹にかからないとも限りません。
それならこの定期接種の番が回ってくるまで待たずに、
これまで通り自己負担で打ってしまってもいいと思うくらいです。
いつ発症するかわからないものですから、
早ければ早いほどいいと思います。
不活化ワクチン(シングリックス)の場合、
2回の接種で約10年間の効果が見込まれています。
早く打てば当面は安心できますよね。
実際このワクチンは50歳から任意接種となっています。
私も昨年2回打ちました。
確かに費用は掛かるワクチンですが、
効果が10年と長いので、1年に換算すると
インフルエンザワクチンくらいの費用感になります。
京都市にお住いの皆様は定期接種で打つこともできますが、
ご自身にとっていいタイミングで
打つ方がいい方もおられるかもしれませんね。
詳しくはサイトでご確認ください。
吉岡医院 吉岡幹博