京都市の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科 吉岡医院

京都市の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科 吉岡医院
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2026年度診療報酬の改定・・・クリニックの置かれた現状について

2026年4月17日

あっという間に桜の季節は終わりましたね。
皆様はゆっくりご覧になる時間はありましたでしょうか。
私も休日にゆっくり散歩する時間があり、
このような季節がずっと続けばいいのにと思いました。

 

 

さて、今回はこの6月に改定する、
診療報酬についてのお話です。

診療報酬は2年ごとに見直されますが、
この20年間を振り返ると、ほぼ据え置き、
上がったとしても1%未満という改定が続いてきました。

しかし今回は、
デフレからの転換、物価上昇、人件費の上昇という背景の中で、
従来通りの改定率では医療機関の経営が成り立たなくなる、
そのような危機感のもと、注目されていた改定でした。

結果として示されたのが、+3.09%という数字です。
報道でも「30年ぶりの大幅上昇」と取り上げられ、
一見すると大きな前進のように見えます。

しかし、その中身を丁寧に見ていくと、
一般にはほとんど知られていない現実が浮かび上がってきます。

今回の+3.09%のうち、+1.70%は賃上げのための枠です。
これは職員の給与に充てることが前提であり、
医療機関の自由に使える収益ではありません。

残りの部分を細かく見ていくと、
診療所に配分された物価対応は+0.10%、
緊急対応分は+0.02%、本体部分も+0.28%にとどまります。

さらに効率化の名のもとに▲0.15%が差し引かれるため、
実質的な上乗せはごくわずかなものになります。

例えば、年間1億円の医業収益があるクリニックの場合、
今回の改定で実際に得られる増収は、
わずか0.12%、年間にして約12万円程度という計算になります。

財政難の京都市の補助金でも、
もう少し出しますよね。

一方で現場では、医療材料費や光熱費が
15%から20%近く上昇している状況です。

内視鏡の消耗品や各種医療材料、
日々の診療に欠かせないコストは確実に増えています。

この状況を冷静に見れば、
今回の改定は実質的には、
マイナスであると言わざるを得ません。

さらに、現在国が進めている医療DXについても、
現場にとっては大きな負担となっています。

例えば電子処方箋の導入には、
電子カルテの仕様変更などで約50万円の費用が必要となりますが、
補助金で賄われるのはその半分程度にとどまります。

つまり、国が求める仕組みを導入するために、
医療機関側に持ち出しが発生する構造になっています。

しかも導入しなければ、
診療報酬上の評価が下がる可能性もあり、
事実上の「選択の余地がない投資」となっています。

こうした現実の中で、
高いレベルの医療サービスの提供は
当然のように求められます。

医療従事者は責任感と使命感を持って働いていますが、
同時に一人の人間でもあります。

限られた資源の中で、
より良い医療を提供し続けることの難しさは、
年々増していると感じています。

そのような今日この頃ですが、
目の前の患者様にとって最善の医療を届けることを、
吉岡医院ではできる限り務めてまいりたいと思っています。

効率化やDXの活用、診療体制の見直しなど、
できる工夫を一つひとつ積み重ねながら、
持続可能な医療の形を模索していきます。

そして何より、当院の強みはスタッフの力です。

一人ひとりが責任を持ち、互いに支え合いながら、
チームとして医療を支えています。

このチーム力と、それぞれの専門性を活かし、
これからも質の高い医療を
提供し続けていきたいと思います。

いくら効率化が進んでも、
最後に必要とされるのは、
人と人とのつながりだと思います。

厳しい環境ではありますが、
この逆境にしっかりと向き合い、
工夫と努力で乗り越えていく所存です。

地域の皆様にとって、
安心して通える医療機関であり続けるために。
これからも一歩ずつ進んでいきたいと思っております。

 

吉岡医院  吉岡幹博