2026年9月17日
9月も後半となりましたが、
今年は早くも
インフルエンザが流行しています。
予防接種が10月から始まりますので、
ワクチン接種前からの
流行ということになります。
また驚くことに、
新型コロナウイルス感染症も多くなっており、
負けずに流行しております。
当院の発熱外来も日に日に患者様が増え、
インフルエンザやコロナと診断する方が増えています。
検査結果を見るまでは、区別は困難です。
従って当院でも発熱の症状や経過に応じて、
インフルエンザ、コロナの抗原検査を
ほぼ全員に行っています。
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当然ながら、発熱を起こす感染症は
インフルエンザやコロナだけではありません。
最近、当院では若い方で、
「伝染性単核球症」と診断するケースが続きました。
あまり聞いたことのない病名だと思います。
いずれの方も発熱で来院され、
インフルエンザ、コロナの検査は陰性でしたが、
高熱が5日から10日と長く続きました。
通常の風邪にしては病状が重く、
倦怠感が非常に強いことが気になり、
風邪ではあまり行いませんが血液検査を実施しました。
すると、著しい肝機能障害と
「異型リンパ球」と呼ばれる特徴的な血液所見が認められ、
症状や経過とあわせて、伝染性単核球症と診断しました。
伝染性単核球症は、
主にEBウイルス(EBV)という
ウイルスの感染によって起こります。
特に10代後半から20代などの
若年層によくみられる病気です。
主な症状は、
発熱、のどの痛み、強い倦怠感、リンパ節の腫れ
などです。
一見すると一般的な風邪や
インフルエンザとよく似ており、
症状だけで区別することは難しい病気です。
一方血液検査では
肝機能障害や異型リンパ球など、
特徴的な変化がみられることがあります。
これは血液検査を行わないと、
診断はほぼ不可能と思います。
また、脾臓が腫れる
「脾腫」をきたすことが知られており、
腹部エコーを必ず行います。
EBウイルスは主に唾液を介して感染します。
キスで感染することもあるため、
英語では俗に「kissing disease」とも呼ばれています。
ただし、感染するのはキスだけではありません。
飲み物の回し飲みや、コップ、箸などの共用でも
感染する可能性があります。
多くの場合は自然に回復していきますが、
肝機能障害が強くなることがあります。
また脾腫を伴う場合には、
まれに脾臓が損傷する危険があるため、
スポーツや激しい運動を控える必要があります。
もちろん、発熱した方すべてに
血液検査が必要なわけではありません。
多くの風邪は、数日の経過で自然に改善していきます。
しかし、高熱が何日も続く、
いったん良くなったのに再び高熱が出る、
強い倦怠感が続くといった場合は慎重に対応します。
インフルエンザやコロナが陰性でも、
別の病気が隠れている可能性があるからです。
今回ご紹介した伝染性単核球症だけでなく、
高熱が続く場合には肺炎などを
起こしていることもあります。
必要に応じて血液検査や胸部レントゲン、
超音波検査など、もう一歩踏み込んだ検査
が必要になることがあります。
インフルエンザもコロナも陰性だったからと無理をせず、
高熱や強い倦怠感が続く場合には、
もう一度医療機関を受診してください。
発熱の原因はさまざまです。
その後の症状や経過をみることも、
病気を診断するうえでとても大切です。
これから本格的な風邪、インフルエンザ、
コロナのシーズンを迎えます。
皆様も体調の変化には十分注意してお過ごしください。
吉岡医院 吉岡幹博