2026年4月13日
大腸カメラ検査は、「どのような病気がわかるのか」「自分は受けた方がいいのか」と気になる方も多い検査です。健康診断の結果や体調の変化をきっかけに、検査を考え始める方も少なくありません。この記事では、大腸カメラ検査でわかる主な病気や、検査でできることについて解説します。これから大腸カメラ検査を検討する方は参考にしてください。
目次
大腸カメラ検査でわかる主な病気
大腸カメラ検査では、大腸の内側を直接観察することで、さまざまな異常や病気の有無を確認できます。また、腸の見た目の変化がわかるだけではなく、必要に応じて組織を採取してくわしく調べることも可能です。さらに、炎症の広がりや出血の有無なども把握できるため、状態をより立体的に理解する手がかりになります。ここでは、大腸カメラ検査で見つかることがある代表的な病気について、それぞれの特徴を解説します。
大腸がん
大腸がんとは、大腸の粘膜に発生するがんのことです。大腸の内側にできるポリープの多くは良性ですが、一部には腺腫(せんしゅ)と呼ばれる、将来的にがんへ進行する可能性のあるものも含まれます。こうした腺腫が時間をかけて大きくなることで、がんへと変化していくことがあるとされています。
大腸がんは初期の段階では自覚症状がほとんどみられないこともあり、便潜血検査の陽性や腹痛、便通の変化などをきっかけに検査を受けるケースもあります。こうした異常を早期に見つける手段のひとつとして、大腸カメラ検査が用いられています。
大腸ポリープ
大腸ポリープとは、大腸の粘膜層と呼ばれる最も浅い層にできる、丸く小さな突起のことを指します。前述したとおり、ポリープの多くは良性ですが、一部は将来的にがんへと変化する可能性があるものもあります。大腸カメラ検査では、ポリープの有無や大きさ、形状を確認することができ、必要に応じてその場で切除される場合もあります。ポリープは自覚症状がないことも多いため、検査によって偶然見つかるケースも少なくありません。なお、ポリープの性質や大きさによっては、経過観察が選択される場合もあります。
潰瘍性大腸炎
指定難病のひとつである潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症やびらん、潰瘍が生じる病気です。発症すると腹痛や下痢、血便などの症状がみられることがあり、腸管や腸管外に合併症が起こる可能性もあります。症状の程度や現れ方には個人差があり、良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあるとされています。
大腸カメラ検査では、腸の粘膜の状態を詳しく観察することで、炎症の範囲や程度を確認できます。また、診断のために組織を採取することもあります。指定難病のため、症状や検査結果を総合的に判断しながら、医師が診断を行っていきます。
クローン病
クローン病は、消化管に慢性的な炎症が起こる病気で、大腸だけでなく小腸などにも影響が及ぶことがあります。潰瘍性大腸炎と同様に、クローン病も難病に指定されており、はっきりとした原因は現在のところ明らかになっていません。発症すると、腹痛や下痢、体重減少などの症状がみられることがあります。
大腸カメラ検査では、大腸の炎症の状態や特徴的な変化を確認することができ、診断の手がかりのひとつとなります。ただし、小腸の状態については別の検査が必要になることもあり、症状や検査結果に応じて、他の検査と組み合わせて総合的に判断されます。
虚血性腸炎
虚血性腸炎は、大腸への血流が一時的に低下することで、粘膜に炎症や障害が起こる病気で、突然の腹痛や血便などの症状が現れることがあります。原因としては、便秘や強いいきみ、脱水などによって腸の血流が低下することが関係していると考えられており、生活習慣病などが影響する場合もあります。
大腸カメラ検査では、粘膜の変化や炎症の様子を直接観察することで、状態を確認することができます。症状や経過とあわせて判断されることが多く、必要に応じて経過観察や治療方針が検討されます。比較的軽症の場合は、安静や点滴などの保存的な対応で改善することもあるとされています。
感染性腸炎
感染性腸炎は、細菌やウイルス、寄生虫などの感染によって腸に炎症が起こる状態です。下痢や腹痛、発熱などの症状がみられることがあります。感染源の多くは食品や汚染水などによるものですが、ペットや人との接触によって感染する場合もあります。また、気温や湿度が高くなる夏季に発生が増える傾向です。
大腸カメラ検査では、粘膜の炎症の様子を確認することができ、他の病気との見分けに役立つ場合がありますが、症状や検査結果に応じて、便検査などが追加されることもあります。適切な水分補給や安静により回復することが多いですが、症状が続く場合には医療機関に相談しましょう。
大腸憩室症
大腸憩室症は、憩室と呼ばれる、大腸の壁の一部が外側に袋状にふくらむ状態のことをいいます。多くは無症状ですが、便秘や加齢、食生活の影響などを背景に発生しやすいとされており、炎症(憩室炎)や出血を伴うこともあります。とくに出血がある場合には、血便として気づくケースもあります。
大腸カメラ検査では、憩室の有無や分布、出血の有無などを確認することができます。症状がある場合には、原因の特定や状態の把握に役立つ検査として行われることがあります。なお、症状の有無や状態に応じては、経過観察が選択される場合もあります。
内痔核
内痔核はいぼ痔と呼ばれることが多く、肛門の内側にある血管がふくらんでできる状態を指します。便秘や長時間の座り姿勢、いきみなどがきっかけとなって発症することがあるとされていて、発症すると排便時の出血や違和感などの症状がみられることがあります。
大腸カメラ検査では、肛門から直腸にかけての状態も観察できるため、内痔核の有無や程度を確認できる場合があります。血便の原因が痔によるものかどうかを見極めるためにも、検査が役立つことがあります。なお、症状の程度に応じては、生活習慣の見直しや経過観察が選択される場合もあります。
大腸カメラ検査でできること
大腸カメラ検査は、病気の有無を確認するだけでなく、その場で対応できる処置もあるのが特徴です。主な処置は、状態に応じて、ポリープの切除や組織の採取などです。また、切除したポリープは病理検査を行います。ここでは、検査とあわせて行われることがある主な対応についてみていきましょう。
ポリープの切除
大腸カメラ検査中にポリープが発見されると、その大きさや形状に応じて、医師の判断のもと、安全性に配慮しながらその場で切除が行われることがあります。ポリープ切除が当日可能な場合には、後日あらためて手術を行う必要がないケースもあり、検査と治療を同時に行える点が特徴のひとつです。ただし、ポリープが大きい場合や出血のリスクが高いと判断される場合には、当日の切除が難しいこともあります。
組織を採取する病理検査
大腸カメラ検査では、必要に応じて腸の粘膜の一部を採取し、病理検査を行うことがあります。これは、見た目だけでは判断が難しい場合に、細胞レベルでくわしく調べるためのものです。採取した組織は専門の検査機関で分析され、その結果をもとに医師が診断を行います。より正確な判断につなげるために行われる、重要な検査のひとつです。なお、検査結果が出るまでには数日から1週間程度かかることがあります。
出血の原因の特定
血便や出血が見られた場合、大腸カメラ検査によって出血している部位や原因を確認することが可能です。ポリープや炎症、痔など、さまざまな要因が考えられるため、直接観察することで原因の特定につながる場合があります。出血の状態や場所によっては、その場で止血処置が行われることもあります。ただし、すべてのケースで原因が明確になるとは限らず、必要に応じて他の検査と組み合わせて判断されます。
大腸カメラ検査ではわからないこと
大腸カメラ検査は、大腸内の多くの情報を得られる検査ですが、すべてのことがわかるわけではありません。たとえば、小腸の奥の状態や、大腸の外側にある臓器の異常などは、この検査だけでは確認できない場合があります。また、動きの異常など機能的な問題についても、別の検査が必要になることがあります。そのため、症状や検査結果に応じて、CT検査や血液検査など、ほかの検査と組み合わせて総合的に判断されることが一般的です。
とはいえ、大腸の粘膜を直接観察できる大腸カメラ検査は、異常の早期発見や原因の特定に役立つ重要な検査のひとつです。ご自身で気になる症状があったり、病院で検査を勧められたりした場合は、医師と相談しながら検討していくことが大切です。検査について不安がある場合も、事前に説明を受けることで安心して臨めるでしょう。