2024年12月26日
小児科患者様の皆様、関係者の皆様へ
この度令和7年(2025年)3月31日(月)をもちまして、当院の小児科診療を終了することにいたしました。
昭和56年(1981年)4月より44年間継続してまいりました診療ですが、80歳を越える年齢になり体力の低下を感じ、この数年は若い小児科の先生方に診療担当をお願いする曜日が増えておりました。
振り返れば、昭和24年(1949年)に義父吉岡忠夫がこの地で外科・整形外科の有床診療所を開設し、昭和56年(1981年)そこに小児科を発足させました。夫吉岡秀憲の外科病院時代(昭和60年~平成13年)、そして私が院長として小児科主体の時期を経て、平成22年(2010年)より現院長・吉岡幹博が消化器内科、肛門内科・外科、内科を標榜して入職し、さらに令和3年(2021年)には吉岡有紀が産科・婦人科・女性内科を担当するなど、診療科の充実を図ってまいりました。この体制により、新生児から高齢者まで、患者様が生涯安心して通院していただける医療の提供が可能となりました。
これは当院が目標とした医療の実現でもありました。いつまでもこの体制を維持したく努めて参りましたが、それも限界になりました。
小児科の終了に伴い、現在ご来院中の患者様には大変なご不便をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。ご希望の方には近隣またはご自宅近くの小児科専門医をご紹介させていただきます。また、長期継続治療が必要とされるお子様には、診療情報提供書をご用意いたします。
小児科医療の歩みと感謝の気持ち
44年にわたる診療の中には、思いがけないコロナウイルス感染症の流行がございました。
当院は10年以上前から病院時代の空きスペースに発熱外来を開設しておりました。出入口待合室診察室が完全に分離独立しており、インフルエンザはじめ感染症主体の小児科、成人病慢性疾患多い内科、双方の患者様に安心してご来院いただけました。
5年前からのコロナウイルス流行時には、発熱外来を大勢の患者様にご利用いただけたのはよかったのですが、職員一丸となって医療逼迫に対処しても尚、医療者側は発熱外来と一般外来の往復・防御装備の着脱・部屋の消毒と仕事多く、患者様を長くお待たせしたこと、お受けしきれずお断りしたことなど、今も申し訳なく思います。
また、私にとって特に感慨深いのは、夫とともに歩いた外科病院時代(昭和60年~平成13年)と、その後の小児科主体の診療を行った若き頃です。夫は自院で食道から肛門までの消化管・肝臓・胆のう・膵臓の悪性腫瘍も手術する多忙な日々で、それに加え医師会役員の責務も担っておりました。私も、朝夜多くの患者様にご来院いただき、小児科診療を行いながら、保健所や看護学校、保育園・幼稚園の園医の業務にも携わり、二人とも夢中で過ごした日々でした。この頃の患者様とはいまだに交流が続き懇意にさせていただいている方々もございます。
当院に通院されていたお子様が成長して、看護師や小児科医や事務職となり当院に勤務下さったり、幼児を連れてこられたお母さまが看護職で就職下さったり、又、当時のお子様やお母さまが後になって、我が子やお孫さんを連れてご来院くださったことなど、小児科医冥利に尽きるものとありがたく思っております。又その一方で、長い小児科医生活の間には私の至らなさから対応が不十分であったこともあり、わが身の不甲斐なさを痛感して申し訳なく思います。そのような小児科にこれまでご通院くださいました患者様の皆様にはお礼の申し上げようもございません。ありがとうございました。
関係者の皆様への感謝の気持ち
長年小児科診療を支えてくださいました医師の諸先生方、特に京都大学小児科医局の先生方には25年もの間多くの多大なご協力を賜りました。多くの紹介患者様をどんな時も受け入れてくださいました京都第二赤十字病院小児科、京都大学小児科の先生方にも、心より感謝申し上げます。
さらに、点滴や採血、レントゲン撮影の介助など小児科特有の難しい業務を支えてくださった看護師の皆様、複雑な保険医療制度への対応や発熱外来の調整に尽力してくださった事務職員の皆様にまた、この場をお借りして深く御礼申し上げます。
終わりに
吉岡医院はこれからも患者様に寄り添い、質の高い医療を提供してまいります。
内視鏡検査では患者様が快適に過ごせるような個室をご用意しております。検査自体も苦痛が少なくかつ高画質の機器を揃えております。是非お気軽にお受けください。
産科・婦人科では、妊娠や婦人科疾患の治療はもちろんのこと、受けるべき診療科がわからないような心身の不調にも、女性内科で幅広く対応しております。3階フロアを専用スペースとして使用しており、待合室から診察室、術後回復室に至るまで、患者様が心安らぐ空間をご提供しております。 経験豊富な女性医師が担当いたしますので、どうぞ安心してご相談ください。
各診療科とも、経験豊かな医師が的確な医療を目指し、日々研鑽を積んでおります。患者様のご期待に応えられるものと考えております。
5階には待合休憩スペースをご用意しております。見晴らしの良い窓辺でゆったりとお過ごし頂けます。お子様にはキッズスペースもございますので、ぜひご利用ください。
また、院長のブログでは、日常の話題や医療に関する情報をわかりやすく発信しておりますので、ぜひご覧ください。
これまでのご支援に心より感謝申し上げます。引き続き吉岡医院をよろしくお願いいたします。
令和6年12月吉日
医療法人博侑会 吉岡医院小児科
吉岡壽々子