京都市の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科 吉岡医院

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当院での大腸カメラの前処置(下剤)について

2025年9月7日

今回は大腸カメラの前処置についてのお話です。

「大腸カメラ」と聞くと、
しんどそう、できれば受けたくない…
そんな否定的なイメージを持たれる方が多いと思います。

しかし、年齢を重ねて、腹部症状がある場合や、
血便、健診での便潜血陽性といった結果が出た場合には、
大腸カメラでの検査は避けて通れません。

外来でお勧めするときに、
多くの方は「検査中の痛みや苦しさ」を不安に挙げられます。
一方で「前処置が大変だから嫌だ」と言われる方も少なくありません。

前処置とは、検査の前日から始まる準備のことです。
一般的には、前日に便に残りにくい食事を摂り、
夜寝る前に下剤を服用して便を出しやすくします。

そして当日には、ポリエチレングリコール(PEG製剤)という下剤を多量に服用し、
腸の中をきれいにするのが標準的な方法です。
ただし、このPEG製剤は「味が苦手」と感じる方が多く、
途中で吐き気を催す方もおられます。

実際に患者さんにお伺いすると、
「検査中よりも準備が大変だった」と答えられる方が多く、
前処置は大腸カメラを受けるうえで大きなハードルになっています。

 

  • 当院の取り組み

そこで当院では、
患者さんの体質や生活スタイルに合わせて、
複数の前処置方法をご用意しています。

「自分に合った方法がある」と思えることは、
安心して検査に臨むためにとても大切です。
また適切な前処置を行うことで腸がきれいになり、
検査の正確さも保たれます。

当院での前処置の種類

① 標準:モビプレップ
効果が高く腸が早くきれいになります。
独特の味が難点ですが、基本的にどなたでも使用可能です。

② モビプレップが苦手な方:ニフレック
味は比較的ましですが、飲む量が多く時間もかかります。
モビプレップ発売前には主にこちらを使用していました。

③ 大量の液体が苦手な方:ビジクリア(錠剤)
水やお茶で飲める錠剤タイプ。
液体が苦手な方に人気ですが、錠剤が大きく数も多いため飲み込みにくさがあります。
また、65歳以上の方、腎機能障害・高血圧・透析中の方には使えません。

④ 高齢などで少量にしたい方:マグコロール
150ml程度の少量で済み、高齢の方や水分が取りにくい方に適しています。
ただし、腸が完全にきれいにならない可能性があります。

⑤ 自宅で簡単に済ませたい方:ピコプレップ
オレンジ味で飲みやすく、量も少ないため負担が軽い方法です。
一方で効果はやや弱く、特に便秘気味の方には不向きです。

当院にはこのような選択肢があり、
検査前に医師や看護師と相談していただければ、
その方に応じた前処置をご提案いたします。

また冷やして飲む、ストローを用いて飲むと、
味や飲みにくさがましになることも言われいます。
こちらも看護師が必要に応じてご用意します。

 

  • 前処置を院内で行う安心感

「自宅で下剤を飲んで準備すると、来院中が不安」
そんな声も多くいただきます。

当院では午前中に来院していただき、
院内のトイレ付き個室で前処置を行う方がほとんどです。

院内で前処置を行うメリットには、
看護師がサポートできるということもあります。

便の状態を確認しながら、最適なタイミングで服用を終了できます。
便秘がちな方には追加の下剤や浣腸で対応することも可能です。
こうした対応はご自宅では難しいものです。

当院には十分な広さのある個室と専用トイレがあり、
安心して準備していただける環境を整えています。

 

  • まとめ

大腸カメラは前処置のやりやすさで、
検査の印象が大きく変わります。

「つらそう」と思っていた方も、
自分に合った方法を選ぶことでぐっと楽になります。

当院では、一人ひとりに合わせた前処置を提案し、
安心して検査を受けていただけるようにしています。

 

吉岡医院  吉岡幹博