2026年1月27日
各地で大雪の便りが届く寒い毎日が続いております。
インフルエンザがB型に変わり拡大しております。
皆様もお気を付けください。
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さて今回は病院との地域連携の会のお話です。
大学病院や日赤などの地域の大病院は、
年に一度、地域の診療所や中堅病院を集めて、
地域連携の会を開きます。
今回は京都大学病院が主催の地域連携の会があり、
日曜日の午後から京大の芝蘭会館に出かけてまいりました。
日々の診療の中で、
病院とのつながりの大切さを感じることは多いですが、
改めてその重要性を実感する機会となりました。
当院に医局員を派遣してくださっている、
糖尿病内科教授の矢部大介先生によるご講演では、
糖尿病診療における地域連携の重要性について話されていました。
糖尿病は、決して「血糖値の病気」だけではなく、
長い時間をかけて全身の臓器に影響していく疾患です。
だからこそ、地域で支える仕組みが必要なのだと強く感じました。
京大病院などの最先端の医療と、
普段のかかりつけの診療所がどのような形で連携すれば、
糖尿病のような長期にわたる医療を継続できるのか。
例えば日々の投薬や血液検査は診療所で、
初期の糖尿病に対する患者様への教育は病院で、
そのような連携が効果的とおっしゃっていました。
「地域連携」という言葉は、
制度や仕組みの話にも聞こえますが、
その本質は、患者様の人生を支えるチームづくりなのだと思います。
また麻酔科教授のお話も、とても印象に残っています。
「麻酔科医は無口で変人が多いという偏見がある」との切り口で、
そこから語られた内容は、驚くほど熱く、深いものでした。
本当に麻酔科医に求められるのは、
様々な診療科とコミュニケーションを取りながら、
急変時に“全身を俯瞰して判断できる”力だということでした。
一つの臓器だけを見るのではなく、
体全体を見渡し、瞬時に判断を積み上げる。
そのために必要な知識と経験は、まさに高度な専門性です。
「無口」どころか、
本当は医療の中心で、人と人をつなぎ続ける存在なのだと知り、
私自身も少し麻酔科医を誤解していたことに気づきました。
病診連携の会では多くの場合、
このような患者様をご紹介くださいといった、
具体的な話が多くを占めます。
その中、麻酔科医としての在り方、哲学を語るところが、
あえて場違いでもあり、それでいて非常に興味深い話であり、
さすが京大は突き抜けていると思わされたところです。
そしてリハビリテーション科の講演も驚愕でした。
最新のリハビリにとどまらず、
神経の再建術にまで踏み込んだ治療が行われていることを知りました。
それも神経細胞を3Dプリンターで神経組織を作り、
それを損傷した神経に移植するというものです。
冗談みたいな話でした。
どのお話にも共通していたのは、
最先端の技術だけではなく、
「患者様の未来を守る」という強い理念でした。
まさに「京大」という言葉が似合う、
独創的で、先進的で、そして温かい講演の数々に、
思わず引き込まれてしまいました。
その後の懇親会では、矢部先生とも限られた時間ではありましたが、
日々の診療に直結するような有意義な情報交換をさせていただきました。
大変偉い先生ですが、同期ですのでしゃべりだすとため口になります。
また、当院で発見された消化器の悪性疾患の患者様の中でも、
特に治療が難しい症例をお願いしている、
消化管外科教授の小濱先生とも今後の連携についてお話ができました。
その中で当院の診療についても
いつでもバックアップしていただけるとの
温かいお言葉をいただきました。
診療所の医師は、
地域の患者様を守るために、日々粘り強く診療を続けています。
しかし時に、私たち自身も限界に近づくことがあります。
朝から夜遅くまで年中休みなく働き続けていると、
いつか病気になったらどうしようかと思います。
病院とは違い自分の代わりがきかないからです。
そんな時に、
「大丈夫ですよ」「支えますよ」と言ってくださる存在があることは、
医師としてだけでなく、人として救われる瞬間でもあります。
このような連携の会に参加するたびに思うのは、
医療は、技術だけでできているわけではないということです。
信頼と、対話と、支え合いの上に成り立っています。
診療所、中堅病院、大病院がスムーズに連携できること。
それは患者様にとっての安心に直結し、
医療の質を支える大切な土台となります。
「何かあっても、次につながる」
「最善の医療へと道が続いている」
そう感じていただける地域医療を作っていきたいと思います。
吉岡医院がこれからも皆様に安心して医療を受けていただけるように、
様々なチャンネルを通じて地域とのつながりを維持し、
さらに発展させていけるよう努力してまいります。
そしてこのつながりを、
いつか患者様が「良かった」と思える形で受け取っていただけることが、
私たち医療者にとって何よりの喜びです。
吉岡医院 吉岡幹博