京都市の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科 吉岡医院

京都市の胃カメラ・大腸カメラ・婦人科 吉岡医院
診療時間 午前9時~/夜診17時~
2診・婦人科は夜診なし
休診日 木・日・祝/土(午後)
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文化を作る

2026年7月27日

厳しい暑さが続いていますが、
皆様体調はいかがでしょうか。

40度を超える地点が毎日のように出ています。
京都もそれに迫る気温で、
さすがに観光地も人は少ないようですね。

疲れたら無理をせず休息をとってくださいね。

 

 

私は昔から野球が好きで、
大谷選手や山本投手、佐々木朗希投手が所属する
ロサンゼルス・ドジャースをよくチェックしています。

近年のドジャースは、
日本を代表する選手たちが次々と加入し、
2連覇を果たし今年も注目を集めています。

しかし、
注目されているのは、
日本人選手が増えたことだけではありません。

練習への取り組み方、
細かなプレーへの意識、礼節や規律、
そして何より「チームのために戦う」という姿勢。

日本野球が大切にしてきた
考え方が、少しずつドジャース全体に
浸透していると言われています。

つまり、
日本人選手が活躍しているだけではなく、
ドジャースそのものが
「日本化」しているというのです。

 

今月中旬、オールスター明けそのドジャースは、
宿敵ニューヨーク・ヤンキースと
敵地で3連戦を戦いました。

ヤンキースといえば、
メジャーリーグを代表する名門。

数々のスター選手を擁し、
圧倒的な歴史と伝統、
そして強いプライドを持つ球団です。

ニューヨーク対ロサンゼルス
日本でいえば東京対大阪
巨人対阪神みたいなものでしょうか。

第1戦は佐々木朗希投手が先発登板。
100マイル(約161キロ)の直球を連発し、
6回途中1失点と好投して先勝を収めました。

第2戦は山本由伸投手が、
4安打2失点7奪三振という圧倒的な内容で
メジャー公式戦初の完投勝利を挙げました。

3戦目はヤンキースが意地を見せて
2-1で辛くも1勝を返しました。
結果はドジャースの2勝1敗でした。

 

勝敗そのものはありふれた結果でしたが、
私が印象に残ったのは、
試合後のヤンキース、ブーン監督の言葉でした。

監督は勝敗以上に困惑した表情で、
「ドジャース全体が日本化している、
選手は攻略できるが、文化を攻略するのは難しい」
という趣旨のコメントを残したそうです。

大谷翔平選手を一試合だけ抑えることは
できるかもしれません。

山本由伸投手や佐々木朗希投手を
攻略できる日もあるでしょう。

しかし、チーム全体に根付いた
文化だけは戦術では崩せない。
というような趣旨だったのかと思います。

チーム全体で勝つという空気。
日本式の高い規律や互いを高め合う姿勢。
誰が試合に出ても同じレベルで戦える組織力。

そうした文化は、
一朝一夕では作ることができません。

世界最高峰のスター選手を
数多く擁するヤンキースの監督でさえ、
「文化には勝てない」と認めたこと、

有能なスター選手はお金で買うことができるが、
「文化」はお金で買うことはできない、
という内容だったかと思います。

MLBという世界最高峰の勝負の世界で、
相手チームにこのような発言をすることが、
チームとしての文化がいかに大切かを
物語っているのだと思いました。

 

私はこの話を聞いて、
医療の世界も全く同じではないかと
思いました。

他院の話ですが
「先生は良かったけれど、
受付の対応が少し冷たかった。」

あるいは、
「看護師さんはとても親切だったのに、
先生はパソコンばかり見ていて、
あまり話を聞いてくれなかった。」

そんな話を耳にすることがあります。

医療機関の評価は、
医師一人でも、受付一人でも
決まるものではありません。

組織全体が
どのような考えを持ち、どのような姿勢で
患者さんと向き合っているか。

つまり、
その医療機関が育ててきた
文化によって決まるのだと思います。

私には以前から、
不思議に思っていたことがありました。

同じ大学の医局から医師が派遣されているのに、
A病院は医師も病院全体も高く評価される一方で、
B病院は私たち医療者から見ても、サービスや
医療の質が今ひとつと感じることがあります。

医師一人ひとりの
能力にそれほど大きな差が
あるわけではありません。

違うのは、
病院全体に流れる
空気ではなかと思うのです。

良い文化の中では
職員も自然と向上心を持ちます。

一方で停滞した文化の中では、
「自分一人が頑張っても仕方がない。」
そんな雰囲気が生まれ、組織全体の力まで
弱めてしまうように感じています。

 

私自身にも経験があります。
勤務医時代にある県立病院で
働いていたときのことです。

緊急内視鏡で
必死で止血処置をしている最中、
夕方5時ちょうどになるとあっさりと
担当看護師が交代することがありました。

「じゃ、時間なので帰ります」
もちろん決まりがあったのでしょう。

しかし、
もう少し区切りの良いところまで残り、
一緒に頑張ろうという空気はありませんでした。

その病院全体に漂うどこか冷めた雰囲気を、
今でも覚えています。

その病院は現在は統合され、
なくなっています。

 

開業して16年。

振り返ると開業から前半の私は、
あまり良い医療や運営ができていなかったと思います。
もちろん患者様には誠実に接して来たつもりです。

しかし職員とのコミュニケーションも少なく、
医院が目指す方向を十分に
共有できていませんでした。

自分の行っていることに自信が持てず、
私だけが考え、私だけが情報を持ち、
職員には指示を出すだけでした。

今思えば、
決して一枚岩の組織ではありませんでした。
時には職員の離職も重なり裏切られたような気になり、
同じ方向を向いていないと感じることもありました。

 

これではいけないと思い、
8年前から年2回、
各職員と個人面談を行うようになりました。

普段聞けない困りごとや家庭の事情、
職員同士の関係性など問題点も多く聞かれ、
問題を解決するきっかけとなりました。

同時に職員間でのコミュニケーションも
不足していると感じました。

そこで3年前からは2か月に1回、
全職員が参加する院内ミーティングを始めました。
個人面談では得られなかった業務や運用の問題を
職員全体で共有し改善するきっかけとなりました。

さらに医療情勢も含めた医院の現状や課題、
これから目指す姿、そして私自身の考えまで、
できるだけ全員と共有するようになりました。

職員の意見にも職員同士が耳を傾けるようになり、
情報を共有し互いを信頼し同じ方向を向く。

そのような積み重ねが、
少しずつ吉岡医院としての文化を
育ててきたのではないかと感じています。

 

文化は、
一日で作られるものではありません。

毎日の診療。
患者さんへの一つひとつの言葉。
職員同士の思いやりや助け合い。

その積み重ねがやがて医院の文化となり、
医療の質そのものを
高めていくのだと思います。

私は、医師としては、
大したものは持ち合わせておりません。

しかし、
吉岡医院を「良い医療機関にしたい」
という思いだけは、
開業以来変わったことはありません。

そして16年が経過した現在、
私自身が職員に支えてもらいながら、
毎日の業務をこなしていると思っています。

 

もちろんのことですが、
当院はまだまだ発展途上の中におります。
クリニックとして至らない点も多々あります。

これからも継続して
日々改善を重ねてまいりたいと思っております。

そして、患者様に安心を届け、
職員が誇りを持って働ける文化を育てながら、
地域の皆様から信頼されるクリニックを
目指してまいりたいと思っています。

 

吉岡医院  吉岡幹博